未来社会協創にあたって、多様な知をどのように束ねて、社会と接合していくか、重要性が高まっています。そもそも未来を考えるとはどういうことでしょうか。現代社会では科学技術の加速度的進歩と国際社会の変革を踏まえる必要があります。目まぐるしく進歩する情報通信技術やバイオテクノロジーの進展を目の当たりにし、2020年から始まった世界的な新型コロナウイルス禍で激動している国際社会を振り返ると、今までの経験や出来事から単純に未来を展望するのが不十分なのは明白でしょう。複雑で重層的な未来について深く考える必要性がさらに増しているのです。
未来に向かって確実に役割が増えると思われるのが知識です。現代社会は知識により新たな価値を作り出していく知識集約型社会の側面がますます強くなっており、未来社会を展望するには、これから産み出されていくであろう知識について熟慮する必要があります。