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最終更新日:2024年4月22日

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知識社会マネジメント

知識創造社会において問いを生み出すことこそが科学技術をはじめとする知識の生産と活用に必要なリテラシの源泉である。生成AIをはじめとした技術の民主化とともにその重要性は普遍的なものになりつつある。日々生産される知識の真偽の判断はもとより、価値観の判断基準が個人や組織、政府においてより不可欠となる。このような技術と社会のシステムの不確実性が高まる中で、社会的合理性を含意としたトランスサイエンスへの取り組みに先を見据えて戦略的な介入を行う予見的(Anticipatory)なイノベーションマネジメントが重要となる。
本講義では、各自の研究テーマを中心とした任意の(科学技術)分野が抱える社会的示唆の理解を深めながら、未来を見据えた予見的な技術の社会実装シナリオ構築の必要性について議論する。
冒頭では、科学技術イノベーションの創出過程を、個人と集団の知の相互作用による知識マネジメントの観点で理解を深める。AI主導による科学技術知識の生産が人類の知識生産活動や社会に与える影響について議論をする。また、リスクと知識の関係性について議論をすると同時に、AI社会において「問い」を生み出すことの重要性についてワークショップ形式で実践する。
中盤では、ELSIやRRIがこれまで以上に組織から個人の知的生産活動に影響を与えるなかで、ミッション志向型科学技術イノベーション政策(MOIP)や予見的イノベーションガバナンス(AIG)といった政策論について触れる。
後半では、スペキュラティブデザインやSFプロトタイピングに代表されるような、人類の創造力と未来志向による柔軟な問いの構築を培う。本講義修了時には、上記のようなテーマについて還元主義ではなくシステム的な視座に立った思考ができるようになることを期待する。
なお本講義では関連する参考文献を事前に検索拡張生成(RAG)として学習させたLLMチャットボットを用意し、議論やレポート課題に活用することを予定している。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
3792-157
GEN-TM6o65S1
知識社会マネジメント
佐々木 一
S1 S2
金曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
工学系研究科
授業計画
ガイダンス:知識創造社会の創造と未来 新興技術の知識とその意義 QFTによる「問い」の構築 予測と社会:リスクと知識の関係。 ビジネスにおける生成系AIとクリエイティブの未来 科学の発展と人間中心な社会 スペキュラティブデザインによる科学の未来 先見的なイノベーション・マネジメントと責任ある科学技術ガバナンス 課題解決型資金としてのインパクト投資 ビールゲーム テクノロジーによる課題解決の⺠主化 マルチステークホルダープロセス、オープンな知識創出活動
授業の方法
初回(4/5)はオンライン(収録)です。 https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/***** 本動画の視聴可能時間は講義終了時間(4/5金:12:10)までを予定しています。 講義終了時間後のアクセス可否について保証ができません。あらかじめご了承ください。 自然災害などやむを得ない場合にオンラインに切り替えることがあります。 担当教員連絡先: *****
成績評価方法
・Presence(出席ならびに課題)とContribution(授業における貢献)の割合として7:3(+2)。 ・基本的に出席を重視します。対面が標準になりつつある中、その時間その場(フィールド)に存在することへの回帰として「朝起きて、準備して、通学して、場に参加する」ために行動する「身体性」を重視します。オンラインも便利ですが、せっかくなので大学の講義らしい講義のスタイルを楽しみましょう。 ・いくつかのログインボーナスを設定しています。(初回ログイン、連続ログイン、など) ・提出された課題やワークについては極端なことがない限り内容によって加点こそあれ減点はありません。 ・過去データ(2019〜2023) 優:履修者の55%以上、 良:履修者の20%以上
教科書
補助資料として[科学技術イノベーション政策の科学のコアコンテンツ](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****)を一部活用しています。■一部の講義では下記の書籍も参考にしています。 ・予測がつくる社会予測がつくる社会: 「科学の言葉」の使われ方, 山口 富子 (編集), 福島 真人 (編集), 東京大学出版 ・先見的ガバナンスの政策学 ――未来洞察による公共政策イノベーション ピレト・トヌリスト (著), アンジェラ・ハンソン (著), 経済協力開発機構(OECD) (編集), 白川 展之 (翻訳), 明石書店(2023) ・エビデンスの社会学: 証言の消滅と真理の現在, 松村一志 (著) 青土社 (2021) ・責任ある科学技術ガバナンス概論, 標葉 隆馬 (著), ナカニシヤ出版(2020)
履修上の注意
視野を広げる
その他
前提となる知識と項目:必須ではありませんが、補助資料として[科学技術イノベーション政策の科学のコアコンテンツ](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****)を一部活用しています。 [0.1 変容する社会の中で、科学とは?技術とは?イノベーションとは?](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****) [1.0.1 イノベーションとは](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****) [1.0.2 イノベーション・プロセスのモデル](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****) [1.2.3 なぜ既存企業はイノベーションへの対応が難しいのか](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****) [2.2.1 STIガバナンスにおける意思決定のツール](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****) [3.1.1 研究者の責任と倫理的・法的・社会的課題(ELSI)](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****) [3.1.2 ビッグサイエンスと社会](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****) [3.2.2 研究者コミュニティと市民が交わる場づくり](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****)
実務経験と授業科目の関連性
一部の回ではゲスト講師を招いており、実務的な観点からの視座を取り入れる。