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最終更新日:2024年3月15日

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知識社会マネジメント

知識創造社会において問いを生み出すことこそが科学技術をはじめとする知識の生産と活用に必要なリテラシの源泉であり、近年の生成系AI(Generative AI)の実用化によって一層その重要性が増している。真偽の判断はもとより価値観の判断基準が個人や組織、政府においてより不可欠となる。また不確実性が高まる技術と社会のシステムにおいて、社会的合理性を含意としたトランスサイエンス(科学に問うことはできるが科学のみによっては答えることが出来ない問題)への取り組みには、先を見据えて戦略的な介入を行う予見的(Anticipatory)なイノベーションマネジメントが重要となる。
本講義では、未来を予測すること自体は困難であることを前提にしたうえで、未来を見据えた予見的な技術の社会実装シナリオ構築の必要性について議論する。前段では科学技術イノベーションの創出過程を、個人の知と集団の知の相互作用による知識マネジメントの観点によって理解を深める。次に、科学技術と社会の接点における議論において不可避である規制や倫理などを踏まえたガバナンスの観点も取り扱いつつ、スペキュラティブデザインに代表されるような高い創造力と未来志向による柔軟な問いの構築を培う。また本講義ではビジネス課題、社会課題、地球課題いずれにおいてもシステム内の自らが課題に影響を与えていることを前提としたシステムアプローチを意識して取り組むことを期待する。
なお、ChatGPTを含む生成系AIについては条件付きで積極的な活用を支持する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
3792-157
GEN-TM6o65S1
知識社会マネジメント
佐々木 一
S1 S2
金曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
工学系研究科
授業計画
ガイダンス:知識創造社会の創造と未来 新興技術の知識とその意義 QFTによる「問い」の構築 予測と社会:リスクと知識の関係。 ビジネスにおける生成系AIとクリエイティブの未来 科学の発展と人間中心な社会 スペキュラティブデザインによる科学の未来 先見的なイノベーション・マネジメントと責任ある科学技術ガバナンス 課題解決型資金としてのインパクト投資 ビールゲーム テクノロジーによる課題解決の⺠主化 マルチステークホルダープロセス、オープンな知識創出活動
授業の方法
・提出課題は昨年比でかなり少なくなるかもしれません。(昨年まではオンラインだったので若干課題が多めでしたが、今年は授業内ワークで完結させられるものはそうしたいと思います。) ・5/12は休講を予定します。(五月祭準備による午後休講に伴い)
成績評価方法
・Presence(出席ならびに課題)とContribution(授業における貢献)の割合として7:3+1。 ・基本的に出席を重視します。対面が標準になりつつある中、また生成系AIを例に挙げずとももはや「答え」の獲得の障壁が著しく低くなりつつある昨今、その時間その場(フィールド)に存在することへの回帰として「朝起きて、準備して、通学して、場に参加する」ために行動する「身体性」を重視します。オンラインも便利ですが、せっかくなので大学の講義らしい講義のスタイルを楽しみましょう。 ・いくつかのログインボーナスを設定しています。(初回ログイン、連続ログイン、など) ・提出された課題やワークについては極端なことがない限り内容によって加点こそあれ減点はありません。 ・過去データ(2019〜2022) 優:履修者の55%以上、 良:履修者の20%以上
教科書
特に指定はしませんが、補助資料として[科学技術イノベーション政策の科学のコアコンテンツ](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****)を一部活用しています。■一部の講義では下記の書籍も参考にしています。 ・予測がつくる社会予測がつくる社会: 「科学の言葉」の使われ方, 山口 富子 (編集), 福島 真人 (編集), 東京大学出版 ・先見的ガバナンスの政策学 ――未来洞察による公共政策イノベーション ピレト・トヌリスト (著), アンジェラ・ハンソン (著), 経済協力開発機構(OECD) (編集), 白川 展之 (翻訳), 明石書店(2023) ・エビデンスの社会学: 証言の消滅と真理の現在, 松村一志 (著) 青土社 (2021) ・責任ある科学技術ガバナンス概論, 標葉 隆馬 (著), ナカニシヤ出版(2020)
履修上の注意
視野を広げる
その他
前提となる知識と項目:必須ではありませんが、補助資料として[科学技術イノベーション政策の科学のコアコンテンツ](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****)を一部活用しています。 [0.1 変容する社会の中で、科学とは?技術とは?イノベーションとは?](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****) [1.0.1 イノベーションとは](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****) [1.0.2 イノベーション・プロセスのモデル](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****) [1.2.3 なぜ既存企業はイノベーションへの対応が難しいのか](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****) [2.2.1 STIガバナンスにおける意思決定のツール](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****) [3.1.1 研究者の責任と倫理的・法的・社会的課題(ELSI)](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****) [3.1.2 ビッグサイエンスと社会](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****) [3.2.2 研究者コミュニティと市民が交わる場づくり](https://scirex-core.grips.ac.jp/*****)
実務経験と授業科目の関連性
一部の回ではゲスト講師を招いており、実務的な観点からの視座を取り入れる。