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最終更新日:2024年4月22日

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シビルエンジニアの活躍する世界

シビルエンジニアは、実社会の中でどのような役割を果たしているのか。大学の講義で学んだ知識は、実務でどのように生かされているのか。国土づくりや建設分野の様々な立場で活躍する実務者が具体的プロジェクトの実例などを交えながら、シビルエンジニアが果たしている役割の現状ややりがいなどを伝えるとともに、建設分野を取り巻く環境の変化にあわせてシビルエンジニアの役割が今後どのように変わっていくのかについても考えながら、土木の魅力を探っていく。
具体的には、インフラ需要の旺盛な海外市場展開の事例紹介、i-Constructionに代表される建設現場の生産性向上、カーボンニュートラルのような環境分野への取り組み、新分野に対する取組み事例紹介、国交省幹部による国土づくりに関する話題提供などを通じて、社会におけるシビルエンジニアの役割について学ぶ。また、建設現場のマネジメントや、技術開発の最前線である技術研究所の見学会、我が国の抱える危機に対応する戦略に関するケーススタディなども併せて実施し、多面的にシビルエンジニアの役割について学ぶ。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
3713-081
GEN-CE5m19L1
シビルエンジニアの活躍する世界
長山 智則
A1 A2
金曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
工学系研究科
授業計画
講義予定 第1回10/6齋藤インフラ整備の最前線 第2回10/13許・西野海外で活躍するシビルエンジニア 第3回10/20中嶋グローバル戦略が求められるシビルエンジニア          ~港湾政策の現状と展望~ 第4回10/27取違・藤谷カーボンニュートラルの実現に向けた実務最前線におけるシビルエンジニア 第5回11/10山名公共空間利活用トレンドと連携誘発型広報マネジメントのいま 第6回11/17各社建設業の未来をともに考える(1) 第7回11/21 (火)各社建設業の未来をともに考える(2)(現場見学) 第8回12/1大塚・木下生産性革命 イノベーションを現場で起こせ 第9回12/8髙濱・山崎制度と現場から考える都市政策の実際 第10回12/15 岐部既成概念を打ち破れ ~急速に変化する社会と拡大するシビルエンジニアの未来~ 第11回12/22清水変革が続く建設会社の経営戦略 第12回1/5各社建設業の未来をともに考える(3)(プレゼンテーション) 第13回1/19池田知事これからの国土形成 講義概要 10月 6日  開講挨拶   杉原 克郎(パシフィックコンサルタンツ株式会社 プロジェクトイノベーション事業本部 技術顧問) インフラ整備の最前線 齋藤 博之(国土交通省 総合政策局 公共事業企画調整課長) 激甚、頻発化する災害へどう対峙し、これからの国土づくりと向かい合うのか。自らが技術系官僚として携わってきた経験や、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえたインフラ分野におけるデジタルトランスフォーメーションの導入等、インフラ整備の最前線における取組を紹介し、国土づくりに携わるシビルエンジニアに期待される役割について、学生諸君に期待することを語る。 10月13日 海外で活躍するシビルエンジニア(海外で求められる能力) 西野 滋博(清水建設株式会社 土木国際支店 土木部長) 許 賢太郎(株式会社大林組北米支店グアム事務所 副所長) 世界を舞台に大きなプロジェクトに携われる喜び、世界中の人達と手を取り合って苦難を乗り越え竣工にたどり着く喜び、自分が携わったプロジェクトにより海外の人々の生活が大幅に改善されるのを実感できる喜び。海外には日本のシビルエンジニアが活躍し、やりがいと喜びを実感できるフィールドが大きく広がっています。 本講義ではアジア、アメリカ合衆国、中東、アフリカなどで建設工事に従事した国際経験豊かな講師2名が各プロジェクトでの自身の実体験を紹介し、日本と世界との違いを解説するとともに、今後グローバルに活躍すべき日本のシビルエンジニアに求められる資質と能力について語ります。 10月20日 グローバル戦略が求められるシビルエンジニア~港湾政策の現状と展望~          中嶋 義全(株式会社海外交通・都市開発事業支援機構  事業推進部ダイレクター(国土交通省より出向中))   四方を海に囲まれた日本において、海外との玄関口となる港湾は99.6%もの貿易量を担っており、国民生活の質の向上や産業活動の発展に大きな役割を果たしている。その政策展開にあたっては、地政学的な変化やグローバルな視点を意識することが重要である。 本講義では、これまで国土交通本省において国際コンテナ戦略港湾政策や港湾インフラの海外展開に取り組み、現在はインフラシステム輸出を支援するために設立された官民ファンド(株)海外交通・都市開発事業支援機構にてダイレクターとして海外事業投資に関わっている講師が、最近の港湾政策のトピックスや今後の展望、インフラシステム輸出をはじめとする国際業務に関わることのやりがいについて語る。 10月27日 カーボンニュートラルの実現に向けた実務最前線におけるシビルエンジニア 取違剛(鹿島建設株式会社 技術研究所土木材料グループ 上席研究員) 藤谷雅義(前田建設工業株式会社 経営革新本部 事業戦略担当 執行役員  兼再生可能エネルギー部長)   世界126カ国・地域が2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、取り組みが加速している。我が国においても、温室効果ガス排出量を2030年度に2013年度比46%削減を実現することが宣言され、省エネルギー対策や電源構成の見直しが急務である。 本講義では、CO2を吸収するコンクリート技術の開発への取り組みと、再生可能エネルギー導入への取り組み、建設会社においてカーボンニュートラルに向けて異なる領域で活躍する2名の講師が、最新の動向を紹介しつつ、それぞれの経験を交えながら急激に変化する社会でシビルエンジニアが果たすべき役割や今後の展開について語る。 11月10日 公共空間利活用トレンドと連携誘発型広報マネジメントのいま 山名清隆(ソーシャルコンテンツプロデュサー/SCOP代表)  公共事業から交響事業へ。人と社会に新たな調和とハーモニーをもたらす土木の仕事の新しいスタイルを語ろう。人々が幸福になる公共空間とは何か。公共空間の利活用最新トレンドから信頼と評判といい関係を作り出す広報マネジメントの現場を探る。 実際に行われたプロジェクトを素材に対話型の講義で構成。 1.ミズベリングプロジェクトのいま 2. オープンストリートムーブメント始動! 3.多様に連携する技の身に付け方 4.交響事業マネジメント研究会 11月17日、11月21日、1月5日 建設業の未来をともに考える 森 千春 (西松建設株式会社 土木営業第一部 営業課長) 他 我が国の社会基盤を支える建設業に求められる役割は時代とともに変化をしてきた。国土強靭化、デジタル化、脱炭素、働き方改革、グローバル化など、建設業を取り巻くトレンドは数多くある。一方で、建設業の未来はどうあるべきか、建設業の魅力とは何か、シビルエンジニアに求められる役割、持つべき資質は何か、現場を見ずしてその答えを得ることは難しい。 本講義では、建設業のビジネスモデルの根幹である建設現場に少人数チームに分かれて足を運んで頂き、現場の仕事を目で見て、現場で働くシビルエンジニアと対話をすることで、これらの問いに対して学生の皆さんにともに考えて頂き、発表・討議を行う。 (11月21日の現場見学会は、午前中を使って実施します。第一限の授業があって参加が難しい場合には、事務局あてに連絡をお願いします。) (正月休み明けということもあり、1月5日のプレゼンテーションについてはオンラインによる参加も併用します。) 12月1日 生産性革命 イノベーションを現場で起こせ 大塚 義一(株式会社奥村組 技術本部 災害対策室長) 木下 茂樹(株式会社奥村組 土木本部 土木設計部長) 近年、AIやIoT、ICTといった先端技術の目覚ましい発展に伴い、産業界のあらゆる分野において既存のやり方、枠組みが見直され、全く新しい生産方法が取り入れられている。土木分野においても、「i-Construction」「BIM・CIM」などのキーワードに代表されるように生産活動が抜本的に見直されており、ここ数年様々な変革が行われている。 本講義では、ゼネコンの実務担当者が講師となり、「東日本大震災の大規模復旧・復興事業で実証した統合管理型のマネジメント」や、「高度な機械化施工で今なお進化を続けているシールドトンネル工事」を題材として、建設業のイノベーションについて考えるとともに、劇的に変化しつつある建設現場の将来や今後のシビルエンジニアの果たすべき役割について語る。 12月8日 制度と現場から考える都市政策の実際 髙濱康亘 (国土交通省 道路局企画課 企画専門官(元・盛岡市都市整備部長)) 山崎明日香 (朝霞市 都市建設部長) 都市政策の現場では、コンパクト・プラス・ネットワークに代表される国としての大きな方向性を目指しつつも、地域の個性や実情に応じた創意工夫ある施策を展開することが重要であり、地方公共団体における取組がその成否を左右する。 本講義では、霞が関において制度設計や全国的な施策展開を担当したのち、基礎自治体へ管理職として出向し現場の施策責任者として都市政策の展開に取り組んでいる講師が、進行中のプロジェクトを紹介・解説し、制度と現場の双方の観点から都市政策の実際について語る。 12月15日 既成概念を打ち破れ ~急速に変化する社会と拡大するシビルエンジニアの未来~         岐部一誠(インフロニア・ホールディングス株式会社 取締役 代表執行役社長                前田建設工業株式会社 代表取締役副社長 経営革新本部長)    講師はシビルエンジニアとして土木工事の施工管理からそのキャリアをスタートし、営業、経営企画部門に携わったあと、現在は経営者の立場にいる。それぞれのステップにおいて、既成概念にとらわれず、常に新しい取り組みにチャレンジしてきた。既成概念には、インフラにまつわる社会のルールと個人の中に根付くものがあるが、それらを打破していく発想の源となるのは、リベラルアーツすなわち歴史や宗教、哲学などであり、それらを深く学び、幅広い視点で物事を考える力が重要である。  本講義では、自身の経験から、学生の皆さんに学んで欲しいこと、大切にして欲しいこと、そして今後のシビルエンジニアの可能性等について語る。 12月22日 変革が続く建設会社の経営戦略 清水琢三(五洋建設 代表取締役社長) 建設業は、いま変革が続いている。将来の担い手確保に対する危機感から始まった働き方改革と生産性向上の取組みが、ICTの活用、DXの推進により大きく進展した。さらに2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、グリーン分野の取組みが本格化している。建設業の活躍の場がグローバルに新分野へと広がっている。 海洋土木最大手の経営者が、建設業を取り巻く環境変化と経営戦略の変遷を振り返り、ゼネコン経営の今を語る。講義を通じて、シビルエンジアが技術的バックグラウンドを強みとして、全体を見通せる俯瞰力を磨くことによって、幅広い分野で活躍できることを感じていただきたい。 1月19日 これからの国土形成 池田 豊人(香川県知事) これから日本は人口減少が進む。人口減少は経済発展にとってマイナスだが、人口減少下で引き続き日本が世界のリーダーとして活躍できるように取り組んでいかなければならない。そのためには、日本の国土の特性を生かして、国土をフルに活用して「稼げる国土」を作っていくことが必要不可欠である。ポイントは、日本を囲む「海の活用」及び「分散型国土」の形成の2点である。土木技術者がリーダーシップを発揮して、将来の国土を作っていくための方策について語る。
成績評価方法
評価方法:ミニレポート50%、現場見学と研究発表 30%、最終レポート20% ■ミニレポート(第6・7・12回を除く毎回。計10回。) 次週の月曜日までに、ミニレポートを提出(ミニレポートはITC-LMSにて配布予定)   ミニレポートの内容:(1)理解度や関心度などに関する質問(択一式)             (2)講義内容に対する感想(記述式)             (3)講義内容に対する質問(記述式、任意)    ■現場見学と研究発表(第6・7・12回)  第6回の講義にて、建設業の概況、第7回の現場見学班分け(6班程度)および見学先選定を行う。現場見学した結果を踏まえ、第12回はプレゼを実施、学生および講師陣で討議を行う。 評価は発表内容および計3回の出席状況を対象に行う。なお、現場見学欠席の場合、評価対象外とする。 ■最終レポート 最終講義終了後に、講義全体を通しての最終レポートを提出する。(最終レポート課題については、ITC-LMSにて配布予定)
履修上の注意
指示しない