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最終更新日:2024年4月1日

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欧州研究特別研究VIII

研究に必要な「歴史的思考力」とは何か? What kind of "historical thinking" skills are needed for research?
歴史研究を進めていく上で必要な能力とはどのようなものでしょうか?

学部生であれば、自分の研究テーマや問いに関係する論文を読み進めて研究史を熟知すること、修士課程の院生であればさらに一次史料を読解することが不可欠でしょう。

しかし、「よい研究者」になるためにはそれだけでは十分ではないように思われます。
たとえば、歴史研究ではありとあらゆるものが史資料となり得ますが、史資料の特性をそれぞれ理解したうえで、適切に文脈に位置づけることが必要になります。
史資料から読み取ったことをどのようにして「因果関係」へと落とし込むのかも難しい問題です。
そして「よい問いを立てられる」かどうかも、研究の死命を決する極めて重要な問題です。しかしそのためには何が必要でしょうか?そもそもどのような問いが「良い」問いなのでしょうか?
研究者は、価値判断(倫理・道徳)の問題とどのように向かい合うべきなのでしょうか?歴史研究者は「アクチュアリティ」からはどのような距離感をとるべきなのでしょうか?

こうした問題について、大学院や大学でしっかりと学ぶ機会は意外と少ないように思われます(私も学んだことはありません)。
しかし現在、歴史学全体がこのような問題ときちんと向かい合うことを求められています。
高等学校で「歴史総合」や「日本史探究」「世界史探究」といった科目が始まったことが大きな原因です。

本講義では、一見遠回りに思えるかもしれませんが、「研究に必要な歴史的思考力とは何か?」という問題を、ドイツにおける中等教育におけるさまざまな試みを通じて、具体的に考えていきたいと思います。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31M310-5217S
GAS-EU6A37L1
欧州研究特別研究VIII
小野寺 拓也
S1 S2
月曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
第1回 ガイダンス  「歴史的思考力」についての概説、授業の進め方について 第2回以降は、ドイツの中等教育資料を読み、課題を解きながら、必要とされる「歴史的思考力」について議論を行う。
授業の方法
指定された文献をよみ、課題を解いたうえで、それを毎回書面で提出すること。
成績評価方法
討議の参加度(50%) 、課題の提出(50%)
教科書
以下は例であり、選択にあたっては受講学生と相談のうえ決定する。 Barth, Steffen, Gesellschaft im Nationalsozialismus. Zwischen Vereinnahmung und Ausgrenzung, Frankfurt a.M., 2017. Koenne, Christian, Homosexuelle, trans- und intergeschlechtliche Menschen in Deutschland. Vom Kaiserreich bis in die Gegenwart, Frankfurt a.M., 2020. Gohl, Fabian/ Stello, Benjamin, Der Holocaust in der Erinnerungskultur, Frankfurt a.M., 2020. Bongertmann, Ulrich, Alltag in der DDR, Frankfurt a.M., 2021. Kaiser, Katherina, Fronterlebnisse im Ersten Weltkrieg. Kampf- Annaehrung- Versoehgung, Frankfurt a.M., 2018. Kost, Juergen/ Zuck, Christian, Die goldenen 20er Jahre. Kultur und Gesellschaft in der Weimarer Republik, Frankfurt a.M., 2018.
参考書
講義中に指示する。
履修上の注意
ドイツ語文献の講読になるため、中級程度のドイツ語が読みこなせることが受講の前提となる。 加えて、ドイツ近現代史について基礎的な知識があることを前提とする。