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最終更新日:2024年10月18日

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欧州研究特別研究VIII

欧州の言語教育政策と日本におけるその応用可能性 European Language Education Policy and its Applicability in Japan
本講義では、複言語・複文化能力の育成を柱とした欧州の言語教育政策を概観した上で、外国語教育が過度に英語に偏重している日本において、それが今後どうあるべきかを受講生と共に考えることを目的とする。
そのために、欧州評議会が2001年に公表し、その増補版(Companion Volume)が2018年と2020年に出版された『外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠』(CEFR)の成立過程とその中の重要概念(複言語・複文化主義、行動中心主義、can-do statements, 4 Savoirs など)を学び、日本におけるその受容の問題点を考える。
担当者は長年欧州の現場で、欧州評議会の政策が教育現場にどのように反映しているのかを調査してきた。特に複数の言語で育つ子どもたちの実態を、ルクセンブルク、フランス・アルザス、イタリア・南チロル、マルタなどの幼稚園から高校にいたるさまざまな学校種で調査してきたので、その報告も交える。
そうした欧州の実情を踏まえて、多言語・多文化化する日本の言語教育の今後のあるべき姿を受講生と共に議論する。

The purpose of this lecture is to review European language education policies that focus on the development of plurilingual and pluricultural competence, and to consider together with the students what this should look like in the future in Japan, where foreign language education is overly focused on English.
To this end, we will discuss the formation process of “The Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment” (CEFR), published by the Council of Europe in 2001 and its expanded edition (Companion Volume) in 2018 and 2020, and its key concepts (plurilingualism/ pluriculturalism, action-orientedness, can-do statements, etc.) and consider the problems of its acceptance in Japan.
The person in charge of this lecture has been working in Europe for many years to investigate how the Council of Europe's policies are reflected in the field of education. In particular, he has investigated the actual situation of children raised in multiple languages in various types of schools from kindergarten to high school in Luxembourg, Alsace in France, South Tyrol in Italy, and Malta, and will report on his findings.
Based on the actual situation in Europe, we will discuss with the participants the future ideal of language education in Japan, which is becoming increasingly multilingual and multicultural.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31M310-5216S
GAS-EU6A37L1
欧州研究特別研究VIII
境 一三
S1 S2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
1)日本における英語以外の外国語教育 2)欧州における言語教育政策 3)CEFRの成立 4)CEFRの重要概念:複言語・複文化主義 5)CEFRの重要概念:行動中心主義 6)CEFRの重要概念:can-do statements 7)欧州における広域流通語とマイナー言語 8)ルクセンブルクにおける言語教育の実態 9)フランス・アルザスにおける言語教育の実態 10)北部イタリアにおける言語教育の実態1(アオスタ) 11)北部イタリアにおける言語教育の実態2(南チロル) 12)マルタにおける言語教育の実態 13)日本におけるCEFR受容の問題 14)欧州の言語教育政策が日本に与えた影響 15)日本における言語教育の今後
授業の方法
担当者による講義を中心とするが、適宜受講生のグループディスカッションも交える。
成績評価方法
授業中の積極性(質問、意見など)40%、レポート60%。
教科書
特になし。
参考書
欧州評議会, 吉島他訳『外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠』(追補版)2014年. https://www.goethe.de/***** からダウンロード可。 Division Council of Europe Language Policy, 山本冴里訳. 『言語の多様性から複言語教育へ : ヨーロッパ言語教育政策策定ガイド』. くろしお出版, 2016年. 境一三. 「『ヨーロッパ言語共通参照枠』(CEFR) は日本の外国語教育に何をもたらしたか?」 複言語・多言語教育研究, no. 1 (2013年): 34–52. 境一三. 「日本の外国語教育の新たな姿を求めて : ヨーロッパの言語教育から学ぶ」. ことばを教える・ことばを学ぶ : 複言語・複文化・ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)と言語教育, 149–70. 行路社, 2018年. 細川英雄, と西山教行. 『複言語・複文化主義とは何か : ヨーロッパの理念・状況から日本における受容・文脈化へ』. リテラシーズ叢書 ; 1, Book, Whole. 東京: くろしお出版, 2010年.
履修上の注意
履修に当たっては、自分自身がこれまでに受けた外国語の授業を思い出し、どのような授業ではどのような力が付いたかをメモしておいてください。また、授業外で行った学習についても同様にメモを取っておいてください。