2023年10月のハマスによるテロ攻撃以来、ショルツ首相をはじめドイツの政治家たちは「イスラエルの安全保障はドイツの国家理性だ」という文言を繰り返し、イスラエルを支持してきた。こうした現状もあり、ドイツとイスラエルの「特別な関係」に改めて注目が集まっている。ただし、巷間の議論はいささか歴史的文脈への理解を欠いたものにとどまっている(「ドイツはホロコーストの過去があるからイスラエルには逆らえないのだ」など)。実際には、第二次世界大戦後のイスラエルとドイツの関係は、国際環境にも左右され、起伏にとんだものであった。
本演習では、冷戦史研究者Carole FinkによるWest Germany and Israel: Foreign Relations, Domestic Politics, and the Cold War, 1965–1974, Cambridge: Cambridge University Press, 2019を講読する。本書は、西ドイツとイスラエルの二国間関係について、冷戦という国際環境と両国の内政から論じた国際政治史の定評ある研究書である。
受講者には毎回20~30ページ程度の英語文献を読んできてもらうことになるので、履修を希望する者はそれ相応の覚悟をすること。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31M310-5034S
欧州政治論
板橋 拓己
S1
S2
月曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
総合文化研究科
授業計画
Carole Fink, West Germany and Israel: Foreign Relations, Domestic Politics, and the Cold War, 1965–1974, Cambridge: Cambridge University Press, 2019を講読する。初回は担当教員による趣旨説明・自己紹介・2回目以降の演習の調整。2回目以降は、報告者による文献の要約報告と、それをふまえた討論となる。
Carole Fink, West Germany and Israel: Foreign Relations, Domestic Politics, and the Cold War, 1965–1974, Cambridge: Cambridge University Press, 2019.
※テキストの入手方法については初回に指示する。