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最終更新日:2024年4月22日

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紛争と和解・共生II

平和/共存の民族誌
1990年代前後にアフリカでは大規模な内戦が頻発した。ルワンダでのジェノサイドやシエラレオネでの四肢切断、ウガンダ北部での子供兵の動員などに代表される凄惨な暴力のありようは、世界につよい衝撃を与えた。これらの内戦の多くは今日ではほぼ収束しているが、内戦後の社会は和解や国民統合をめぐり現在でも多くの課題を抱えている。武力衝突が止んだとしても、紛争をめぐる記憶は人びとのその後のくらしに深刻な影響を与える。内戦は日常生活の単位となるコミュニティ内部の人間関係に亀裂をもたらすため、内戦後には改めて過去を振り返り、その亀裂を修復する必要が生じるのである。
紛争の原因や内戦がもたらした悲劇については多くのメディアで語られる。しかし、紛争の最中でふつうの人びとがいかに紛争に巻き込まれないための努力や工夫をしていたのか、紛争が終結したあと、「敵」との間にどのようにして共存する関係を築こうとしているのか、紛争時の経験で心身の傷を負った人をコミュニティのメンバーはどのように遇しているのか、といった内容にはなかなか焦点があたることはない。この授業では、アフリカの紛争後社会で長期のフィールド調査を実施した人類学者が記した「平和/共存の民族誌」を輪読することをとおして、人間が有している平和を保ち、他者との関係を再構築する力を学ぶ。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31M290-0042A
GAS-HS6C02L1
紛争と和解・共生II
佐川 徹
A1 A2
未定
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
1回目:イントロダクション 2~5回目:1冊目のエスノグラフィー 6~9回目:2冊目のエスノグラフィー 10~13回目:3冊目のエスノグラフィー シラバスを書いた時点で想定しているのは、下に記したシエラレオネ、ルワンダ、南アフリカなどを舞台として英語で書かれた民族誌的研究であるが、受講者の希望によって取り上げる著作を変更する可能性はある。また、可能であれば、エスノグラフィーの対象となる国でフィールド経験がある研究者にゲストとして来てもらい、その国の生活について話してもらう回をもちたいと考えている。 Catherine Bolten 2012 I Did It to Save My Life: Love and Survival in Sierra Leone. University of California Press. Kristin Conner Doughty 2016 Remediation in Rwanda: Grassroots Legal Forums. University of Pennsylvania Press. Ltitia Bucaille 2019 Making Peace with Your Enemy: Algerian, French, and South African Ex-Combatants. University of Pennsylvania Press.
授業の方法
各回、担当者が割り当てられた箇所をまとめ、その内容をもとに全員で議論する。担当になっていなくても該当箇所は全員が読んでくること
成績評価方法
担当回の発表内容(30%)と毎回の授業への参加度(70%)によって評価する
教科書
とくになし
参考書
アフリカの紛争については 佐川徹・竹沢尚一郎・松本尚之(編)2024年出版予定『歴史が生みだす紛争、紛争が生みだす歴史―現代アフリカにおける暴力と和解』春風社。 アフリカ一般については 遠藤貢・阪本拓人(編)『シリーズ地域研究のすすめ ようこそアフリカ世界へ』昭和堂 松本尚之・佐川徹・石田慎一郎・大石高典・橋本栄莉(編)『アフリカで学ぶ文化人類学―民族誌がひらく世界』昭和堂 ほかの参考中は授業中に紹介する
履修上の注意
必ず事前にその回に扱う箇所を読んでくること