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最終更新日:2025年4月21日

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相関基礎科学特殊講義I

ハイデガーの技術論
ハイデガーの技術論を1950、60年代に発表された論文「技術への問い」、「伝承された言語と技術的な言語」、「芸術の由来の思索の使命」の精読をとおして概観する。

ハイデガーの技術をめぐる省察は彼の「存在への問い」に立脚している。したがって授業では、彼の思索において「存在」が何を意味するかがつねに問題となるだろう。

彼の技術論は元来、1930年代のナチズムとの対決として遂行された「主体性の形而上学」に対する批判に由来する。また戦後においては、技術の平和利用による福祉の増進という、戦後社会の根幹をなす主張の自明性を問いに付すものであった。授業ではこうした彼の技術論の政治的含意にも注意を払いながら、読解を進めていきたい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31M283-1135S
GAS-BS6R11L1
相関基礎科学特殊講義I
轟 孝夫
S1 S2
金曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
1.イントロダクションーーハイデガー技術論の動機と時代背景 2.ハイデガー「技術への問い」の講読(1) 3.ハイデガー「技術への問い」の講読(2) 4.ハイデガー「技術への問い」の講読(3) 5.ハイデガー「技術への問い」の講読(4) 6.ハイデガー「技術への問い」の講読(5) 7.ハイデガー「技術への問い」の講読(6) 8.ハイデガー「伝承された言語と技術的な言語」の講読(1) 9.ハイデガー「伝承された言語と技術的な言語」の講読(2) 10. ハイデガー「伝承された言語と技術的な言語」の講読(3) 11. ハイデガー「伝承された言語と技術的な言語」の講読(4) 12. ハイデガー「芸術の由来の思索の使命」の講読(1) 13. ハイデガー「芸術の由来の思索の使命」の講読(2) 14. ハイデガー「芸術の由来の思索の使命」の講読(3)
授業の方法
演習形式でハイデガーのテクストの講読を行う。 各回毎に参加者に担当個所を割り当てて、その内容について授業で報告してもらう。そのうえで参加者のあいだで質疑応答、討論を行う。 必要に応じて、私の方から内容の解説、哲学的論点の説明を行う。
成績評価方法
授業での発表、ないしは期末レポートのどちらかによって評価する。 レポートの評価に当たっては、学術的レポートの形式を満たしているかどうかを重視する。
教科書
ハイデッガー『技術への問い』関口浩訳、平凡社、2009年。 (原書)Heidegger, Gesamtausgabe, Bd. 7, Vorträge und Aufsätze, 2000. Heidegger, Gesamtausgabe, Bd. 80.2, Vorträge. Teil 2: 1935–1967, 2020.
参考書
轟孝夫『ハイデガーの超‐政治――ナチズムとの対決/存在・技術・国家への問い』明石書店、2020年。 轟孝夫他『〈いのち〉はいかに語りうるか?─生命科学・生命倫理における人文知の意義』‎ 日本学術協力財団、2018年。 轟孝夫『ハイデガー『存在と時間』入門』講談社現代新書、2017年。 轟孝夫『存在と共同――ハイデガー哲学の構造と展開』法政大学出版局、2007年。 加藤尚武『ハイデガーの技術論』理想社、2004年。
履修上の注意
ハイデガーのテクストについては日本語訳を配布するので、ドイツ語の読解能力をとくに前提としない。