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量子物理学

量子物理学における群と対称性の役割について、数理と物理の両面から講義します。特に物質科学から題材を選びます。前半は群と表現論の数理的側面をできるだけ直観的に解説します。回転群、点群、空間群に重点を置きます。ローレンツ群とスピン、時間反転の役割にも触れます。後半は、量子物理の具体的な問題への応用を扱います。動的ヤンテラー問題、結晶電子バンドの構成、スピン・軌道結合、時間反転、相転移の理論、カイラリティ問題などを取り上げます。
量子力学のいろいろな場面で出てくる対称性の概念を群論に基づいて整理します。群論は単なる分類学でなく、量子状態の縮退と位相の関係を明確にし、ゲージ場とダイナミクス、量子状態のトポロジカルな側面など現代物理学の重要概念を芋づる式に引き出す上での必須ツールです。群と対称性の関係を知ることで、量子力学の全体像を把握することができます。なお、担当者(岸根)の専門が凝縮系物性理論ですので、話題は物性寄りになります。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31M283-0330S
GAS-BS6F21L1
量子物理学
岸根 順一郎
S1 S2
木曜4限
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教室
駒場16号館 109室
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
第1回:物理のための群論 (1)  A) 量子力学のquick summary  B) 量子力学はなぜ群論と調和するのか  C) 群、部分群、共役類、不変部分群、剰余類、商群 第2回:物理のための群論 (2)  A)群代数とディラック指標  B)準同型定理  C)軌道・固定群定理 第3回:群表現と量子物理(基礎理論)  A)シューアの補題、指標の理論  B)射影演算子と対称性適合基底、極性と軸性  C)制限と誘導  D)二重群 or 斜線表現 第4回:Intermission:「群表現と物理学」の概観  A)点群・空間群の振動状態・電子状態への応用  B)回転群とスピン  C)置換対称性とフェルミオンとボソン  D)ポアンカレ群と素粒子  E)選択則  F)テンソル積とClebsch-Gordan分解  G)幾何とダイナミクス:Wigner-Eckartの定理  H)時間反転の意味と役割  I)テンソル応答  J)相転移 第5回:回転群と量子力学  A)回転群の既約表現  B)角運動量とスピン  C)既約テンソル  D)Clebsch-Gordan分解  E)Wigner-Eckartの定理 第6回:スピン・軌道結合  A)ローレンツ群のスピノル表現  B)ディラック方程式  C)SO(3)とSU(2)  D)二重群  E)スピン・軌道結合効果のひろがり 第7回:縮退・位相・ダイナミクス・ゲージ場  A)動的ヤンテラー効果  B)縮退・位相・ダイナミクス  C)ゲージ場とベリー位相、トポロジー 第8回:結晶点群と電子状態  A)結晶場分裂  B)光と電子の相互作用  C)多電子状態  D)分光学への応用 第9回:結晶空間群と電子・格子(1)  A)結晶の数理的構成  B)実空間と波数空間  C)表現の誘導  D)バンド表現 第10回:結晶空間群と電子・格子(2)   A)電子状態とトポロジー  B)非共形空間群とスピン  C) 最近の話題 第11回:時間反転  A)Wignerの定理  B)時間反転とスピン  C)時間反転と散乱問題 第12回:対称性と秩序(1)  A)自発的対称性の破れ  B)南部・ゴールドストーンの定理  C)ヒッグス機構  D)ランダウの2次相転移理論 第13回:対称性と秩序(2)  A)誘電表現  B)磁性表現  C)超伝導表現  D)Multiferroic転移  E)Ferroaxial転移 【付録】カイラリティと量子物理  A)カイラリティとは何か  B)カイラリティと電磁場  C)カイラリティと量子ダイナミクス
授業の方法
講義ノート+板書 ※Zoomで行う場合も同様
成績評価方法
レポート100% 学期後半に課題提示.8月中旬締め切りで提出(予定)
教科書
指定なし
参考書
[1]犬井鉄郎, 田辺行人, 小野寺嘉孝:応用群論,(裳華房, 1980). [2] MS Dresselhaus, G. Dresselhaus,and A. Jorio:Group Theory:Application to the Physics of Condensed Matter, (Springer2008). [3] Patrick Jacobs, “Group Theory with Applications in Chemical Physics,”(Cambridge Univ. Press 2005) [4] Melvin Lax, Symmetry Principles in Solid State and Molecular Physics, (Dover, 2012) などなど
履修上の注意
特になし