以下の切り口から問題理解を深めていく予定である。
(1)1905年の政教分離法の制定過程と内容を踏まえながら、マクロン政権における「共和国原理への尊重を強化する法案」の論点を整理する。
(2)1959年に制定されたドゥブレ法の歴史的意義を、ライシテの歴史の展開を踏まえて再考する。
(3)フランスにおける「イスラーム主義」をめぐる言論構成と、「治安」の観点からの「対策」の特徴を検討する。
(4)カトリック教会における小児性愛をめぐるスキャンダルを、宗教・世俗・セクシュアリティの歴史的文脈において考察する。