学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2025年4月21日
授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。
言語情報解析演習I
Valency alternation of verbs: Spray/load alternation, clear/wipe alternation, swarm alternation and more
このコースでは、文法項交替についての文献を概観する。文法項交替valency alternation/diathesis alternation/verb alternationとは、同じ動詞が複数の下位範疇に属し、異なる主語や目的語の組み合わせと一緒に現れる現象を言う。例えば、動詞breakが他動詞文と自動詞文の両方に現れる交替現象(He broke the cup./The cup broke.)を自他交替causative/inchoative alternationなどと呼ぶ。
一般的に、動詞がどのような文法項argumentを必要とし、その文法項がどのような表現(文法機能や統語範疇)として文中に出現するかは主に動詞の意味によって決まると考えられている。その前提に立てば、特定の文法項交替に参加する動詞(のクラス)の意味に着目することが、文構造の決定に関与する動詞の意味要素を抽出する手がかりになると考えられる。具体的には、
・ある特定の文法項交替が可能(あるいは不可能な)動詞に共通する意味要素とは何か。
・より一般的に、文構造の決定に関わる潜在的な意味要素には他にどのようなものがあるか。
・その意味要素が文法項交替に限らず、他の統語構造の側面にどのように反映されるか。
・文法項交替や、文構造の決定に関わる意味要素はさまざまな言語に普遍的か。
などの疑問に対する答えを模索する。
MIMA Search