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最終更新日:2024年10月18日

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社会の自立と共同II

カント『道徳形而上学の基礎づけ』/『永遠の平和のために』を読む
イマヌエル・カント(1724-1804)の著作のなかでも、広く知られていて、かつ、比較的短い二つのテクストを読みます。特にこの二つの本は、日本語訳が多数出ていますが、最近刊行された以下の訳書を用います。

カント『道徳形而上学の基礎づけ』、大橋容一郎訳、岩波文庫 2024
カント『永遠の平和のために』、丘沢静也訳、講談社学術文庫 2022

言うまでもなく、前者はカントが初めて体系的に倫理思想を提示した著作であり、後者はそうした倫理思想を背景に構成された戦争/平和論ないし歴史論です。

哲学のなかだけでなく、一般に「カント(的)」というとき、連想される内容がたくさん詰まった両書を精読しながら、カント的思想の特徴や長所/短所といったことについて参加者間で議論していきます。

必要に応じて、ドイツ語原文や他の訳書を参照し、翻訳書を使って思想書を読むという問題についても考える機会にしたいと思います。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D290-0101A
GAS-HS6B04L1
社会の自立と共同II
斉藤 渉
A1 A2
火曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
1.受講案内/担当決定 2-8.道徳形而上学の基礎づけ 9-13.永遠の平和のために
授業の方法
毎回の担当者を決め、担当者はレジュメをもとに各回の内容を要約します。その後、参加者全員によるディスカッションをおこないます。 ディスカッションですから、単なる感想を述べあうのではなく、具体的に〈テクストのどの箇所にどういう理由でどういう意見・疑問をもったか〉が出発点となります。用語の疑問などは、参考書などで解決できる部分もありますが、考え方については、疑問などを述べあい、自分の想定を見直すなかで、ようやく納得できるということもあります。 これは、カントや哲学を専門としない人にも求められる基本的なスキルでもあるので(またおそらく授業参加者の多くは哲学・思想以外を専門とする人になります)、授業のなかではディスカッションを特に重視したいと思います。
成績評価方法
発表とディスカッションにもとづき評価します。前提として毎回の参加を重視します。
教科書
カント『道徳形而上学の基礎づけ』、大橋容一郎訳、岩波書店 2024、ISBN-13:978-4003860397[岩波文庫 青 625-1] カント『永遠の平和のために』、丘沢静也訳、講談社 2022、ISBN-13:978-4065267301[講談社学術文庫 2701] いずれも多数の翻訳があるので間違わないように。また、それぞれの電子書籍(Kindle)版もありますが、授業では「~頁~行目」といった形で言及箇所を指定するので、まずは紙の本を購入するようおすすめします。
参考書
1)坂部恵『カント』、講談社 2001、ISBN-13:978-4061595156[講談社学術文庫・Kindle版あり] 2)石川文康『カント入門』、筑摩書房 1995、ISBN-13:978-4480056290[ちくま新書・Kindle版あり] 3)有福孝岳ほか編『縮刷版 カント事典』、弘文堂 2014、ISBN-13:978-4335150593 4)稲葉稔『カント『道徳形而上学の基礎づけ』研究序説』、講談社 2023、ASIN:‎B0CD79NSCC[Kindle版のみ] 5)萱野稔人『NHK「100分de名著」ブックス カント 永遠平和のために: 悪を克服する哲学』、NHK出版 2020、ISBN-13:978-4140818169[Kindle版あり] 1)および 2)は、比較的バランスのとれたカント思想の概説・入門書。3)は、カントの用語などについて調べるのに便利。駒場図書館に所蔵あり(4階開架、請求番号:134.2:Ka59)。4)の原著は、創文社より1983年刊の研究書。現在は講談社より電子書籍として入手可能。
履修上の注意
教科書二冊については、容易に入手可能であり、比較的廉価でもあるため、受講者はあらかじめ入手しておくことをおすすめします。その際、版を間違わないよう注意してください。また、Kindle版を購入しても、頁数の参照ができず、授業用テクストとしては使えないので、気をつけてください。 ドイツ語の知識があることは望ましいですが、必須の条件ではありません。