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最終更新日:2024年10月18日
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相関基礎科学特殊講義VIII
強相関電子系の基礎と応用:多軌道電子系と相対論補正の物理
Fundamentals and Applications of Strongly Correlated Electron Systems:
Physics of Multiorbital Electronic Systems and Relativistic Corrections
[目標]
固体物理学において近年盛んに議論されている相対論効果の起源や、強相関電子系において重要となる相互作用の効果を把握し、物質に対する理論的アプローチを理解できるようになること。
[概要]
局在性の強いd電子またはf電子を含む系では、相互作用の効果(電子相関)が重要となり、非従来型超伝導や量子磁性に代表される様々な興味深い現象を示す(強相関電子系)。また、近年の固体物理学では、様々な系においてスピン軌道相互作用に代表される相対論効果の重要性が認識されるようになってきている。
このような物性を理解するための理論的基礎として、本講義ではまず、固体物理学の基本的な物理量やハミルトニアンが量子電磁気学からどのように導出されるかを解説する(スピン軌道相互作用、ダーウィン項、電子カイラリティ、ブライト相互作用など)。その際、強相関電子系において重要となる原子軌道の表示に基づいて多軌道効果や相対論効果を整理する(フント結合、スレーター・コンドンパラメータ、多極子、トロイダル多極子、電気フォトン、磁気フォトンなど)。本講義では相対論的量子力学を扱うが、その予備知識を前提とせず、固体物理に必要な内容を厳選する。
その後、具体的な系において、多軌道電子系の典型的な振る舞いを局所的な電子相関に即して説明する。あわせて、このような系を記述するための理論手法(動的平均場理論、グリーン関数法、経路積分法、摂動論など)を必要に応じて紹介する。
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