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最終更新日:2025年4月21日

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相関基礎科学特殊講義I

人文学・社会科学の研究方法論:質的研究アプローチの意義と課題
人文学(哲学を含む)および社会科学には多様な研究アプローチが存在しますが、本講義ではその中でも「質的研究」とラベリングされる一群の研究アプローチに焦点化し、研究方法論という観点からその意義と課題について議論します。

この授業の到達目標は以下の通りです。
・人文学および社会科学における質的研究アプローチについて概要を理解する。
・対置される量的研究と比較しながら、質的研究の意義と課題について理解する。
・質的研究に対してどのような批判的議論がなされてきたかを把握し、自分なりの回答ができるようになる。
・研究方法論について議論する際の基本的な心構えを身につける。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D283-1136A
GAS-BS6R11L1
相関基礎科学特殊講義I
井頭 昌彦
A1 A2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
基本的に以下に従って講義を進めます(社会科学に関する事前知識がない人でもついてこられるように、授業の序盤では基本的な事項の確認に時間を割きます)。なお、受講者の反応および進捗に応じて順序や内容などを変えることがあります. 1. イントロ(社会科学のあり方)/推測統計 2. RCT 3. 擬似実験 4. 質的研究 5. 量的研究と質的研究の関係性(教育研究を例に) 6. 人文学における質的研究(歴史学&文化人類学)/閑話:地球外生命体との接触? 7. 中間レポート講評 8. 質的研究をめぐる社会科学方法論争(1):KKVの主張とKKV論争 9. 質的研究をめぐる社会科学方法論争(2):KKV批判の概略 10. 質的研究をめぐる社会科学方法論争(3):通俗ベイズ、過程追跡、QCA 11. KKVへのさらなる応答(1):教育学と政策学の視点から 12. KKVへのさらなる応答(2):EMCAと文化人類学の視点から 13. 新たな火種:質的研究におけるQRPsと価値中立性理念 14. 科学哲学的観点からの総括 15. フィードバック 履修要件
授業の方法
基本的に講義の形で進めます。各回の資料は印刷して配布します。
成績評価方法
期末レポートの内容(100%)によって評価します。
教科書
特にありません。
参考書
(1)井頭昌彦(編) 『質的研究アプローチの再検討:人文・社会科学からEBPsまで』 (勁草書房,2023) ISBN:978-4-326-30324-3 必須ではありませんが、手元に置いてあると講義理解の大きな助けになります。また、事前に読んでおくと学習効率の大幅な向上が見込めます。 (2)キングほか 『社会科学のリサーチ・デザイン:定性的研究における科学的推論』 (勁草書房,2004) ISBN:978-4-326-30150-8 質的研究をめぐる社会科学方法論争の出発点になった著作。 (3)ブレイディ他 『社会科学の方法論争:多様な分析道具と共通の基準[原著第2版]』 (勁草書房,2014) ISBN:978-4-326-30231-4 2022年時点において、質的研究をめぐる方法論争についてもし一冊だけ手元に置くなら絶対これ、という超絶推奨本。巻末の用語集も初学者には非常に有益。複数の版が出ていますが内容が違っているので注意が必要です。推奨は原著第2版です(第1版から落ちた内容は出版社HPにあるため)。 その他の参考書は授業中に随時紹介します。
履修上の注意
授業終了後、その日のうちに配布資料をざっとでいいので流し読みして、授業内容を確認してください。学習効率の大幅な向上が見込めます。
その他
人文社会科学諸分野の研究方法論関連の文献レビューがまとめて掲載してあるページです(掲載分野は教育学、社会人類学、社会政策/社会福祉、社会科学の哲学/社会科学方法論、歴史学、ジェンダー研究/フェミニスト方法論、政治学)。論文タイトルをクリックすると詳細なレジュメを見ることができます。 https://www.soc.hit-u.ac.jp/*****