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最終更新日:2026年10月16日
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物質化学特論
分子軌道に基づく金属錯体の反応性と電子物性(平岡秀一担当)
生体内の金属酵素に由来する遷移金属錯体の構造と反応性(阿部司担当)
平岡担当分
遷移金属イオンからなる錯体は、酵素の活性部位など生命系における機能の発現に重要な役割を果たしており、また、触媒、発光、磁性など機能性の材料を開発する上でも欠かせない物質である。遷移金属錯体の特異な性質の多くはその分子軌道から理解できる。遷移金属イオンと配位子との間に作られる配位結合も本質的に有機化学物の共有結合と同じように考えることができるが、遷移金属イオンがd軌道を持つことから、d軌道が関わる分子軌道を考える点で異なる。本講義では様々な構造を持つ遷移金属錯体の分子軌道を定性的に組み立てる方法を学び、その安定性、反応性、電子的な特性を考える。
阿部担当分
生体系に含まれる金属イオンは、その構造や機能を維持するために重要な役割を演じている。 生体における反応の活性中心において、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛のようなdブロック元素や、 希土類元素などの金属が活躍している。金属イオンが生体関連の配位子やタンパク質との錯体を形成し、 これらの金属中心を介した加水分解反応や電子移動反応ならびに酸化と還元を伴う基質の変換反応を行う。 その反応性は金属周りの第1、第2配位圏によってまず制御され、 その外圏への電子移動や情報伝達はタンパク質内部の構造変化やタンパク質同士の相互作用などを介して行われる。 活性中心モデルは金属錯体を構築しているが、その構造と機能を錯体化学と有機金属化学の観点で解説し、 金属中心が繋がるタンパク質の構造と機能ついての本質的な理解を目指す。
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