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最終更新日:2024年4月22日

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凝縮系の物性II

凝縮系の物性II:固体の電子物性
凝縮系の物性研究、とりわけ固体物性の実験研究は物質合成をするという化学・材料科学に近い部分と材料物性を理解する物理学に近い部分があります。本講義ではこの両面をバランスく学ぶことで実験研究の基礎を身に着けることを目標とします。
「I.物質合成」では固体の結晶構造がどのように決まり、どのように作り出されるのかを合成のテクニックを含めて学びます。「II.固体の電気伝導」ではバンド理論の基礎をおさらいした上で、半導体・超伝導体・磁性体という凝縮系の大きな3つの分野について電気伝導の物理を学びます。最後に、こうして学んだことが最先端の研究とどのようにかかわっていくか、研究紹介を交えながら講義を行う予定です。
なお、様々なレベルの大学院生が受講する科目ですので、物性物理学の基礎については必要に応じて補足しながら講義を行っていく予定です。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D283-0380S
GAS-BS6I02L1
凝縮系の物性II
上野 和紀
S1 S2
木曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
授業計画 I.物質合成 1. 固体の結晶構造:金属、イオン性固体、共有結合性固体 2. 化学熱力学と相図 3. 固体の電子構造:d電子系とsp電子系 4. バルク単結晶が作り出す多様な構造 II. 固体の電気伝導 1. 原子軌道からバンドへ:タイトバインディングモデル 2. キャリアドーピングとバンド構造 3. 半導体の電気伝導と金属絶縁体転移 4. スピンと電気伝導:モット絶縁体、強磁性体、超伝導体 III. 最近の研究から 1. 半導体:二次元電子ガスの物性 2. 超伝導:合金超伝導から銅酸化物、鉄系へ 3. 電場誘起による物性制御:半導体トランジスタの物性研究への応用
授業の方法
受講する学生の知識を見ながら、必要に応じて前提知識を補足しつつ講義を進める。受講者の研究室・氏名を第二回の講義で自己紹介してもらい、受講者を指名して質問しながら講義する予定。毎回、必要なデータ等を講義資料として配布し、板書で講義を行う。2~3回程度のレポートを課す予定。
成績評価方法
レポートおよび出席点。毎回、出席票を提出してもらいます。
教科書
特になし
参考書
キッテル「固体物理学入門」丸善、アシュクロフト・マーミン「固体物理の基礎」吉岡書店。固体物理学の典型的な教科書。キッテルの上巻程度の知識を前提に講義を行います。 ウェスト「固体化学入門」講談社サイエンティフィック。酸化物・セラミクスの結晶合成のエキスパートによる固体合成の教科書。化学、物質合成から出発して物性に到る道筋で書かれており、物性物理学を別の視点から見ることができる。 デイヴィス「低次元半導体の物理」シュプリンガーフェアラーク東京。半導体量子井戸や二次元電子ガス、量子ホール効果など半導体へテロ構造に現れる様々な物性を基礎知識から説き起こした教科書。半導体物理の基礎から最先端の研究に必要な知見までコンパクトにまとめられており、固体電子物性の初学者にも経験をつんだ人の知識の整理にも適している。 津田、那須、藤森、白鳥「電気伝導性酸化物」裳華房。酸化物材料のもつ多様な物性をまとめたカタログのような本。古くから研究されている重要な物質はほとんど網羅されており、酸化物の電子物性の研究者の必携書。 青木秀夫「超伝導入門」裳華房。200ページ程度の気軽に読める入門書だが、理論から最新の物質まで一通り押さえられている。高度な内容がさらっと書いてあるので、わからないところは飛ばし読みで最後まで読めば超伝導研究の全体像を知ることができる。
履修上の注意
特になし