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最終更新日:2026年10月16日

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応用情報論III

人の賢さと愚かさを計算論的認知科学の立場から考える
Samuel Gershman “What Makes Us Smart: The Computational Logic of Human Cognition” Princeton University Press, 2021(邦訳:『知性はバイアスでできている 賢さと愚かさの計算論的認知科学』 講談社選書メチエ)を読むことを通して、人間にみられる錯覚、確証バイアス、選好の非一貫性、言語の曖昧性、ランダムな行動など、一見すると「認知の欠陥」に思える現象を、環境への適応や計算資源の制約という観点から捉え直す。なお、英語の原著を読んでも、日本語訳を読んでも構わない。

本書の中心には、限られたデータから推論するために必要となる inductive bias と、限られた計算資源のために生じる approximation bias という二つの考え方がある。各章の内容を理解するだけでなく、それぞれの説明がどのような前提条件のもとで成立するのか、またどのような場合に成立しなくなるのかを考えることを授業目標とする。

専門の異なる大学院生が参加することを想定し、数式の導出そのものよりも、①何を説明しようとしているモデルなのか、②どのような仮定を置いているのか、③どのような実験結果によって支持されているのか、を理解することを重視する。

最終回の授業では、「人間の認知にみられる『欠陥』は、どこまで環境と制約に適応した『最適化された仕様』として説明できるのか」という問いを、本書の各章で扱った現象を材料として、全員で議論して検討する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D282-0280A
GAS-SS6B08L1
応用情報論III
植田 一博
A1 A2
月曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
総合文化研究科
授業計画
初回授業で出席者と相談して決める。
授業の方法
各回、一人の担当者が指定章について、以下に関して発表する(時間は目安である)。対面での実施を想定している。 担当章の要点の説明:25分程度 担当章で扱われる現象、Gershmanの中心的主張、その背後にある計算論的考え方を説明する。数式が登場する場合も、導出より「各変数が何を意味し、モデルが何を予測するか」を優先する。 関連論文の紹介:25分程度 その章の議論にとって重要な論文を2本程度取り上げ、「研究目的―方法―主要結果―Gershmanの議論との関係」を簡潔に説明する。 Gershmanの議論の問題点:10分程度 少なくとも一つ、理論上または実証上の問題を提示する。「別の説明でも同じ結果を説明できないか」「前提となる環境が変われば結論も変わらないか」「何をもってoptimalと呼んでいるのか」などを考える。 全体討論:30分程度 発表者が議論で提示した問題点を出発点として全員で議論する。発表者以外の受講者も指定章を読み、一つ以上の疑問・反例・関連事例などを考えた上で参加する。
成績評価方法
以下が単位を与える必要条件である。発表報告や議論の質により最終的に評価する。 1.授業中に指定された回数分の発表報告を行うこと。 2.授業に毎回出席し,他人の発表に対して質問し,議論に加わること。
履修上の注意
毎回出席し,指定された回数だけ発表を行うことが,成績をつける必要条件。
その他
発表担当者を決めるため,初回の授業には必ず出席すること。