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最終更新日:2024年4月22日

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国際社会科学特別講義IV

【目標】
- 1990年代以降の開発と安全保障の融合や「人間の安全保障」概念が前提とする考え方およびそれらに基づく実践事例について理解したうえで、それらの課題やジレンマについても考察することができる。
- 2010年代後半以降(とりわけ2020年以降)に表面化した、開発と安全保障に関連する業界に対する批判や再考の動きを把握し、その展望を考察することができる。
【概要】
冷戦終結後の国際政治学や国連等での政策論議においては、既存の「安全保障」概念が見直され、「人間の安全保障」といった概念が提示された。同時に、主に「南」における「新しい戦争」や暴力が問題視され、開発上の諸問題は戦争や暴力の発生リスクを高める要因とみなされた。研究や政策論議における開発と紛争予防や平和構築との境界線は曖昧化し、開発問題と安全保障問題は不可分のものとみなされていった。
本講座では、こうした認識に基づいて行われてきた研究や、条約等の合意形成、そして個々の現場での取り組みを紹介し、研究と実践の双方において生じた成果やジレンマ、課題を考察する。
とりわけ、講座の後半では、近年の#MeToo運動や新型コロナウイルス感染症をめぐる状況、Black Lives Matter運動の展開、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエル・パレスチナの状況などを背景に生じてきた、開発・安全保障関連業界に対する批判や再考の動きに焦点を当てる。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D230-1141A
GAS-SI6C04L1
国際社会科学特別講義IV
榎本 珠良
A1 A2
未定
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
- イントロダクション - 新しい戦争論 - 開発論の変化 - 開発と安全保障の融合と人間の安全保障概念の登場 - 「グローバル市民社会」への期待 - 批判的安全保障研究と「人間の安全保障」 - 人道支援論の変容(「新しい人道主義」の登場) - 心理社会的支援の主流化 - 移行期司法(移行期正義) -  「人道的軍縮」:対人地雷禁止条約・クラスター弾条約 - 「人道的軍縮」:武器貿易条約 - 「グローバル市⺠社会」における人種主義 - ジェンダー主流化の展開と課題:軍備管理・軍縮の事例 - 援助組織における性暴力と#MeToo - コロナ後・Black Lives Matter運動後の批判と再考 - ロシア・ウクライナ戦争が示唆するもの
授業の方法
原則対面での講義形式にて実施する。第一回授業のみZoomにて同期オンライン型で実施する。
成績評価方法
参加度と期末レポートにて評価を行う。 - 授業で習ったことを記述する」のではなく、授業を聞いたうえで自ら調査を行い自ら思考した結果を示すような新規性・独創性のあるレポートを高く評価する。 - 盗用・剽窃には厳しく対応し、レポート作成の執筆要領も予め指定する。執筆要領に則り、文献の参照の仕方や参考文献表記などを適切に行うことが求められる。
教科書
とくになし
参考書
- 榎本珠良(2020)『武器貿易条約:人間・国家主権・武器移転規制』(晃洋書房) - 榎本珠良(2020)『禁忌の兵器:パーリア・ウェポンの系譜学』(日本経済評論社)
履修上の注意
- 国際関係理論、安全保障研究、国際法、文化人類学、現代思想などに関心があることが望ましい。これらに関連する授業を既に履修済みである必要はないが、授業で言及する先行研究等について分からなければ自分で調べたり、授業で扱う事例について疑問を持ったら自分で調べたりする積極的な姿勢を持っていることが求められる。 - 自ら調査して思考する能力、および学術的なレポート・論文を執筆要領に則って執筆する能力が求められる。