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最終更新日:2026年10月16日

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国際協力論実験実習III

〈呼びかけ〉の人類学へ向けて
フランスの民族学者・社会学者マルセル・モースは、古典的名著「贈与論」のなかで、「自分の外に出ること」を主題化している。「自分の外に出ること」が「与えること」だというのである。だが、「自分の外に出ること」とは、たんに「与えること」にとどまらず、より根底的に自分を他者に開くということを意味している。この他者への「開かれ」を、この授業では他者への〈呼びかけ〉として位置づける。人は、他者に〈呼びかけ〉、他者から〈呼びかけられ〉、他者と〈呼びかけあう〉ことで、社会的あるいは倫理的な存在者となる。その場合の他者は、必ずしも人間的人格である必要はない。人間とは異形でありながらも人格性が付与されている存在者(動植物であれ物質であれ、あるいは祖先であれ神格であれ)であってかまわない。この授業の目標は、このように〈呼びかけ〉を把握したときに、その〈呼びかけ〉をどのような位相において考えることができるのかを、文化人類学的な観点から探ることである。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D230-0170S
GAS-SI6A29E1
国際協力論実験実習III
森山 工
S1 S2
金曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
総合文化研究科
授業計画
授業では、まず講師による講義をおこない、上記の「授業の目標、概要」について詳細な説明を施す。同時に、文化人類学的な意味での「内在論」と「超越論」についても概観する(以下「授業の方法」①)。 その後、人が〈呼びかける〉、あるいは人が〈呼びかけ〉を受ける作用主(エージェント)として、人間とは異形の人格的存在者の事例を把握するために、合衆国の文化人類学者マーシャル・サーリンズの最晩年の著作を精読・輪読する(同②)。 それを踏まえ、「内在論」の観点からの〈呼びかけ〉について、フランスの哲学者ジャン=ポール・サルトルの議論を把握する(同③)。 最後に、「超越論」の観点からの〈呼びかけ〉について、フランスの社会哲学者ルイ・アルチュセールのイデオロギー論を考察する(同④)。
授業の方法
講師の講義回はのぞき、原則的に受講生による文献の精読と輪読によって授業をおこなう。そこにおいては、毎回ファシリテーターと発表者を決め、ファシリテーターの統括のもとに発表者が精読案を提示し、受講生全員での質疑応答をおこなう。 講読する文献は以下のとおり。 ①森山工「〈呼びかけ〉の人類学へ向けて」『文化人類学』90巻1号、2025年、pp. 5-18. ②Sahlins, Marshall, The New Science of the Enchanted Universe : An Anthropology of Most of Humanity. Princeton University Press, 2022. ③Sartre, Jean-Paul, Cahiers pour une morale. Gallimard, 1983. ④Althusser, Louis, Idéologie et appareils idéologiques d’État (Notes pour une recherche). In Louis Althusser Positions, Éditions sociales, 1976, pp. 79-137. ①についてはPDFをUTOLにて共有する。②③④については精読箇所をPDF化し、同じくUTOLにて共有する。
成績評価方法
授業への貢献度と最終レポートによって評価をおこなう。
履修上の注意
文化人類学についての基礎的知識あるいは専門的知識は必須としない。 また、フランス語の運用能力は必須としない(英語訳、日本語訳による参加を可とする)。