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最終更新日:2025年4月21日
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アジア太平洋地域文化演習IV
朝鮮・韓国の文化財と現代社会
長く伝わる美術工芸品や先人が残した建造物などの遺跡、伝統行事などの有形、無形の文化財は、国籍や民族を超えて人びとに感動を与えるものである。しかし、それは、国家による国民統合と無縁ではなく、それはしばしば特定の国民や民族のナショナリズムと結びつくこともある。そして、「どの国民のものか」、「それをどこに置くべきか」といったことがしばしば問題になる。また、そもそも、文化財の選定や遺跡等の保存については、「だれがどのような基準で価値を認めるか」という問題がある。人権侵害や戦争、植民地支配の記憶と結びつくものが、忌避されたり、賛否両論の議論を呼び起こしたりすることは珍しくない。
周知のように、韓国・朝鮮にある、あるいは韓国・朝鮮の人びとが製作したり、その歴史と関係を持ったりしている文化財についても、そうした問題は存在する。そして、日本には、そうした文化財が多数ある。
そこで、この授業では、朝鮮・韓国の文化財に着目し、文化財の選定、保存や、所有、返還、活用、展示等の諸問題を考えていくこととしたい。その際、朝鮮・韓国関係の文化財のみを取り上げるのではなく、他地域・他民族の事例で比較、参照しうるものについても学んでいく。
そのことを通じて、文化財と市民社会との関係の望ましいあり方、日本と韓国・朝鮮との友好について考えを深めていく。
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