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最終更新日:2026年10月16日
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文化人類学演習I-A
宗教とカネ
「地獄の沙汰も金次第」という言葉があるように、聖なる世界と俗なる貨幣は深く結びついている。私たちは葬儀や戒名に高額な対価を支払い、不安を解消するために占いに課金し、聖地への旅で多額の消費を行う。近代的な常識では、宗教の商品化は「堕落」や「世俗化」とみなされがちである。しかし、そもそも人類学的な視点に立てば、神仏や精霊との関係構築は、供犠や喜捨といった「贈与・交換」の論理によって支えられてきた歴史を持つ。つまり、カネ(財)の移動は、宗教的実践の不純物ではなく、むしろその核心部分を構成しているといえる。
また視点を反転させれば、現代社会において「カネ」そのものが、最も強力な崇拝対象となっているとも言える。すべてを数値化し、無限の増殖を求める資本主義の論理は、現代人にとって逃れられない規律として機能しており、その様相は一種の「拝金教」と呼ぶにふさわしい。本講義では、人々の消費行動、欲望、そして貨幣というフェティッシュ(呪物)そのものに焦点を当て、宗教とカネの不可分な関係を解き明かすことを目的とする。
授業では、私の専門であるミャンマー仏教の事例(布施経済)と、日本および世界各地の事例――繁栄の神学とメガチャーチ、イスラーム金融、巡礼ツーリズム、葬儀、占いやスピリチュアル・マーケット、資本主義というカルトなど――を検討する予定である
なお、この授業は全7回のS2ターム科目である(1単位)。授業は講義とディスカッションを並行しながら進めていく。
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