学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2025年4月21日
授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。
表象文化論実験実習III
「「予測」のからくり」[標本集]
二〇世紀初頭に心理学の鬼子として登場した振る舞い主義=行動主義(Behaviorism)においては、当初から人間の振る舞いの「予測(prediction)」と「制御(control)」があからさまに目指されていました。このうち「制御」の方が広告業界において「影響」という言葉でオブラートに包まれた後、現在のインターネットを席巻する「インフルエンサー」などの形象に流れ着いたのに対して、「予測」の方はとりわけ20世紀後半における機械学習の発展に結びつき、最近話題を呼んでいるChat GPTやマイクロターゲティングなど人工知能を用いたオンライン技術の根幹に据えられるようになっています。
ちょうど一年前に、同じ題目で振る舞い主義 の批判的研究の第二弾として、「予測」という概念をめぐる文献のつまみ食い的読解作業を行ないました。その際、シラバスという文書自体がセメスター中に起こる議論の流れや展開を先取りして予測していることを踏まえ、教員がスケジュールを事前に構想するのではなく、大雑把な参考文献リストだけを提示した上で、受講生が議論の流れを予測しながらそのつど読む文献を選んでいくという方法を試してみました。その結果、こちらの大まかな予測をことごとく裏切るような議論の流れが生み出されたので、その経験を振り返りながら、もう一度だけ「予測」に焦点を置いた授業を行ないます。ただし、前回の授業の後半において、それぞれの受講生がそれまでの流れを踏まえながら、あらためて予測・制作した最後四回分のシラバスがあるので、まずはそれを出発点とし、そこから前半の流れを予測する形で進めていくつもりです。
MIMA Search