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最終更新日:2025年4月21日
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文化創造論II
不可能性の表象──リオタールを読む(1)
この授業では、ジャン=フランソワ・リオタール(1924-98)の、おもに1980年代のテクストを読む。この時期のリオタールの哲学的関心は美学、倫理、政治など多岐にわたっているが、そこに共通するモティーフがあるとすれば、それは表象不可能性(ないし呈示不可能性)をめぐる一貫した問題意識である(具体的には前衛芸術、ホロコースト、資本主義)。
リオタールにかぎらず、20世紀後半の現代思想や批評理論において「表象不可能性」がさかんに論じられていたことは周知の通りである。だが、当の「不可能性」がいかに表象されてきたのか、ということは従来それほど検討されてこなかったように思われる。つまり、一口に「表象不可能性」といってもそこにはさまざまなヴァリエーションがあり、その「不可能性」をどのように表象するかは論者によってさまざまだということである。
そのような関心から、『非人間的なもの』(1988)や『ハイデガーと〈ユダヤ人〉』(1988)に収められた、リオタールの80年代のテクストをなるべく精密に読むことが、本授業の目的である。
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