2024年度の内容(予定)
2024/6/18 更新
開講直前(1週間前)に再び更新されることがあるため、注意深くシラバスを確認すること。
■9月25日 午前 9:00 - 11:00/14:00~17:00
◎ヒト以外の動物行動の観察
担当:香田 啓貴 (総合文化研究科)
内容:ヒト以外の動物とヒトの行動や心理現象を比較することが、心の進化過程を推察する上で重要な手段となる。比較するための基礎項目として、ヒト以外の動物の行動の観察を実施する。行動の観察は、都内の学外等で行う可能性がある。
担当:舞草 伯秀 (進化認知科学研究センター)
◎ 神経・精神疾患におけるMRI脳構造解析
内容:MRIを用いた脳構造解析は、神経・精神疾患における発症予測あるいはその進行動態を表す指標となり得る。特に画像解析技術の発達とともに、2000年代初頭より多施設臨床画像研究が盛んに行われるようになってきた。本講義では、主に神経・精神疾患における脳画像解析技術とともに、多施設研究で明らかになってきたMRIの機種間差の問題とそれに対するこれまでの研究について解説する。
■9月26日 10:00 - 17:00
◎ 言語処理の脳波計測―Event-related potentials
担当:陳 姿因(会津大学 語学研究センター)
講義内容:脳波測定は、脳から自発する電気活動を記録して観察する方法である。特に、特定の認知刺激に関連して生じる事象関連電位(event-related potentials)は、人間の認知処理過程を解明するのに非常に有用である。授業の前半では、脳波計測の基礎原理と、言語処理に関する研究例を紹介する。後半では、実際に脳波室で計測方法を実習し、データ解析について解説する。なお、事前にUTokyoアカウントでMatlabをインストールしておくことをおすすめする。
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◎ 眼球運動計測―Visual world paradigm
担当:陳 姿因(会津大学 語学研究センター)
講義内容:我々人間の目の動きは随意的ではなく、高次の認知的プロセスと密接に関わっている。目がいつ、どこに向けているかは即時処理や予測処理の指標になる。Visual world paradigm実験法とは、音声を聞きながら、複数の視覚提示の中からターゲットを探し出す課題で、特に心理言語学で抽象的な認知プロセスを推定するのによく利用される方法の一つである。授業の前半にはvisual world paradigm実験の原理とデザインする際の注意点を概説する。後半には実際の実験を紹介し、データ分析の実習をおこなう。事前に統計フリーソフトRをインストールしておくことをおすすめする。
■9月27日 10:00~17:00
◎ MRI装置を用いた脳活動計測の基礎
担当:中村 優子(進化認知科学研究センター)
内容:脳機能画像研究の概略・歴史と機能的MRI(fMRI)の原理を解説する。また、fMRIをもちいた計測実験の実例をしめし、データ解析を体験する。得られた結果について脳活動パターンから何が言えるかを議論する。
◎ 音声解剖生理学の基礎
担当:西村剛(大阪大学人間科学研究科)
内容:ヒトを含む多くの陸棲動物が音声をつくる解剖学的・生理学的機構の概略を解説する。また、ヒトの声帯もしくは動物のモデル声帯の振動計測を行い、データ解析を体験する。得られた結果について、振動パターンの違いから何が言えるかを議論する。