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最終更新日:2024年4月22日

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言語態分析演習IV

「序文」で読む19世紀フランス文学
19世紀フランス文学は、特にその前半においては、ヴィクトル・ユゴー「『クロムウェル』序文」(1827)やテオフィル・ゴーチエ「『モーパン嬢』序文」(1835)、バルザック「『人間喜劇』総序」(1842)など、芸術流派のマニフェストや文学論として、また、出版計画の公表などを目的に執筆された、単なる作品紹介の域に収まらない、それ自体として読みごたえのある「序文」の存在によって際立っています。確かに、フローベール以降、「序文」はその意味を問い直され、その文化は下火になったともいえますが、他方で、ゴンクール兄弟やゾラなど、世紀後半の作家たちによって重要な「序文」が書き残されていることもまた事実です。その後、20世紀初頭にプルーストが登場することで19世紀的「序文」はその使命を終えることになるわけですが、そのことは同時に、「序文」がすぐれて19世紀的な文学ジャンルであったことを示しているといえるでしょう。
この授業では、シャトーブリアンからユイスマンスまで19世紀の「序文」をバランスよく収めたアンソロジーPréfaces des romans français du XIXe siècle(éd. Jacques Noiray, Livre de Poche, 2007)を頼りに、「序文」を読むことを通じて、19世紀フランス文学の世界に足を踏み入れていきたいと思います。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D200-1040S
GAS-LI6D14S4
言語態分析演習IV
谷本 道昭
S1 S2
木曜2限
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講義使用言語
日本語、フランス語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
はじめの数回で、Préfaces des romans français du XIXe siècleの巻頭論文や、「序文」を対象とする理論的文献(ジェラール・ジュネット『スイユ』)の紹介を通じて、導入を行ってから、受講者の関心にしたがって幾つかの「序文」を選び、担当者による発表形式で実際に「序文」を読み進めていきます。
授業の方法
演習授業ですので、「講義」の時間はなるべく少なくして、受講者の発表や全体での討議の時間を多く取ります。
成績評価方法
発表や授業参加などの平常点とあわせて、レポートなどの課題を総合的に評価して成績をつけます。
教科書
Préfaces des romans français du XIXe siècle, éd. Jacques Noiray, Livre de Poche, 2007. ジェラール・ジュネット『スイユ』和泉涼一訳、水声社、2001年。 ただし、どちらの本も絶版状態で入手が難しいようなので、プリント・PDFを配布します。
参考書
授業中に指示します。
履修上の注意
フランス語力が必要になります。フランス語辞書も必須となるかと思います。