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最終更新日:2024年10月18日

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言語態分析演習IV

「序文」から読むバルザック
今年度Sセメスターに引き続いて、この授業では「序文」から19世紀フランス文学にアプローチしていきたいと思います。
Aセメスターはバルザックの「序文」を集中的に取りあげます。
バルザックは、1829年に『最後のふくろう党』で文壇再登場を果たして以来、同年の『結婚の生理学』、続いて、『私生活情景』、『あら皮』、『哲学的小説コント集』といった1830年から1831年にかけて刊行されていく作品のそれぞれに序文を付しており、この時期のバルザックの創作における序文の重要性は小さなものではなかったといえます。その後もバルザックは、のちに代表作といわれることになる、『ゴリオ爺さん』『谷間の百合』『幻滅』といった1830年代後半に刊行された各作品に付された序文にとどまらず、協力者の筆を借りながら、「十九世紀風俗研究」「哲学研究」といった作品集にも読みごたえのある序文を書き残しています。それらの序文はしかし、1842年から始まる「全集『人間喜劇』」の刊行に際して作者自身の手によってすべて削除され、1829年以来書き継がれてきた数々の序文は、「『人間喜劇』総序」一篇に取って代わられることとなります。その後、バルザックの作家生活は、新たな序文の執筆がなされることのないまま終えられており、バルザックは『人間喜劇』の作者となると同時に「序文」との関係にみずから区切りをつけたということができるように思います。
授業では、執筆年代やテーマを意識しながらバルザックの「序文」のいくつかを読むことで、バルザックの創作における「序文」の意義や歴史を知るとともに、「19世紀フランス文学」という背景の上にバルザックの「序文」を位置づけ理解していくことで、その独自性を見定めることを目指します。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D200-1040A
GAS-LI6D14S4
言語態分析演習IV
谷本 道昭
A1 A2
木曜2限
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講義使用言語
日本語、フランス語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
はじめの数回で、バルザックの序文テクストを収めたエディションや翻訳の紹介を行い、その後は、担当者による発表形式でテクストを読み進めていきます。
授業の方法
演習授業ですので、「講義」の時間はなるべく少なくして、受講者の発表や全体での討議の時間を多く取ります。
成績評価方法
発表や授業参加などの平常点とあわせて、レポートなどの課題を総合的に評価して成績をつけます。
教科書
バルザック『「人間喜劇」総序・金色の眼の娘』西川祐子訳、岩波文庫、2024年。 Balzac, Écrits sur le roman, éd. Stéphane Vachon, Livre de Poche, 2000. そのほか、プリント・PDFを配布します。
参考書
授業中に指示します。
履修上の注意
フランス語力が必要になります。フランス語辞書も必須となるかと思います。