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最終更新日:2024年10月18日

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言語態分析演習II

戦争と人間、記憶、文学――アンテルム、デュラス、ブランショ
ロベール・アンテルムは1939年から当時の妻マルグリット・デュラスらと共にレジスタンス活動をしていたが、1944年6月にブーヘンヴァルト強制収容所に送られ、戦後ダッハウで死の一歩手前のところをディオニス・マスコロらに救い出され、1945年4月に帰還した。そして1947年に証言文学『人類』を発表した。1940年代から彼らと交流のあったモーリス・ブランショは1962年に『人類』をめぐる対話体テクスト「破壊しえないもの」(1962→のちに「人類」と改題)を発表した。そのなかで対話者の一人は、『人類』によってわかるのは、「人間は破壊しえないものであり、にもかかわらず破壊されうるということだ」と述べている。ブランショは、その後も折に触れてアンテルムを取り上げ、アンテルム論集の提案も行った(Lignes, Janvier 1994 ; Robert Antelme Textes inédits sur L’espèce humaine Essais et témoignages, Gallimard, 1996)。デュラスは戦争から40年近く経ってから当時の日記をもとにした『苦悩』(1985)や『戦争ノート』を発表した。上記のテクストおよび関連文献を読み、戦争と人間、記憶、証言、文学の問題について考える。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D200-1021A
GAS-LI6D12S1
言語態分析演習II
郷原 佳以
A1 A2
火曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
始めに授業の趣旨、アンテルム、デュラス、ブランショの関わりについて説明した後、以下の文献(予定)について講読を行う。 Robert Antelme, L’Espèce humaine, Gallimard, 1947, « Tel », 1957.(抜粋) Dionys Mascolo, Autour d’un effort de mémoire. Sur une lettre de Robert Antelme, éd. Maurice Nadeau, 1987. Maurice Blanchot, « Dans la nuit surveillé », Lignes, Janvier 1994, repris dans Robert Antelme, Gallimard, 1996. Maurice Blanchot, « L’indestructible », NRF no 112, avril 1962, repris dans L’Entretien infini, Gallimard, 1969. Maurice Blanchot, « Guerre et littérature », L’Amitié, Gallimard, 1971. Fethi Benslama, « Le propre de l’homme », Robert Antelme. Georges Perec, « Robert Antelme ou la vérité de la littérature », Robert Antelme. Marguerite Duras, La Douleur, Gallimard, 1985.
授業の方法
始めに授業の趣旨、アンテルム、デュラス、ブランショの関わりについて説明した後、文献講読を行う。担当者を決めておき、担当者はレジュメを用意して発表を行い、皆で議論する。
成績評価方法
授業での発表、議論。
教科書
Robert Antelme, L’espèce humaine, Gallimard, 1947, « Tel », 1957. Maurice Blanchot, « L’indestructible », NRF no 112, avril 1962, repris dans L’Entretien infini, Gallimard, 1969.など。 ファイルかコピーで配布する。
参考書
ジョルジョ・アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』1998、上村忠男・廣石正和訳、月曜社、2001年。 Marguerite Duras, Cahiers de la guerre et autres textes, 2006, « Folio », 2008.
履修上の注意
フランス語が読めることが望ましい。