大学院
HOME 大学院 言語情報解析演習III
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年10月18日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

言語情報解析演習III

統語と音韻部門のインターフェイス/The Syntax-PF Interface
生成言語学では、その最初期から、統語構造と表面的な語順との関係性をどのように記述・説明するのかということが重要なトピックの一つであったが、いわゆるYモデルの登場や、極小主義の展開とともに、その問題はより関心を集めている。また、語順のみならず、統語と音韻・形態の相関関係も重要なトピックとなっている。
本授業では、Sセメスターに引き続き、語順を中心に、統語と音韻部門(音韻・形態)のインターフェイスに関する様々な文献を読み、新たなデータの発掘や理論開発の可能性を探っていく。その際、通言語的・類型論的な視野を持ち、一般言語理論として妥当な理論の構築を目指す。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D200-0430A
GAS-LI6B13S2
言語情報解析演習III
小田 博宗
A1 A2
火曜4限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語、英語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
初回はガイダンスを行い、各自がレビューを担当する文献を決める。 以下は使用を検討している文献の一部だが、履修者の関心に応じてこれら以外の文献のレビューも歓迎する。 Kayne, Richards (1994) The Antisymmetry of Syntax. Cambridge, MA: The MIT Press. Abels, Claus and Ad Neeleman (2012) "Linear asymmetries and the LCA," Syntax 15(1), 25-74. Fox, Danny and David Pesetsky (2005) "Cyclic linearization and syntactic structure," Theoretical Linguistics 31, 1-45 Biberauer, Theresa and Michelle Sheehan (2013) Theoretical Approaches to Disharmonic Word Order. Oxford: Oxford University Press. Biberauer, Theresa, Anders Holmberg, and Ian Roberts (2014) "A syntactic universal and its consequences," Linguistic Inquiry 45(2), 169-225. Michelle Sheehan, Theresa Biberauer, lan Roberts, and Anders Holmberg (2017) The Final-Over-Final Condition: A Syntactic Universal. Cambridge, MA: The MIT Press. Simpson, Andrew (2022) "Revisiting the structure of nominals in Japanese and Korean: Mixed headedness vs. pure head-finality," Natural Language and Linguistic Theory 40, 573–597. Moro, Andrea and Ian Roberts (2023) "The duality of syntax: Unstable structures, labelling and linearisation," Natural Language and Linguistic Theory. Cinque, Guglielmo (2023) On Linearization. Cambridge, MA: The MIT Press. Pan, Victor Junnan (2022) "Deriving head-final order in the peripheral domain of Chinese," Linguistic Inquiry 53(1), 121-154. Hucklebridge, Shay (2023) "Learning and the typology of word order: a model of the Final-over-Final Condition," Glossa: a journal of general linguistics 8(1), 1–50. Tokizaki, Hisao (2011) "The nature of linear information in the morphosyntax-PF interface," English Linguistics 28 (2), 227-257. Selkirk, Elizabeth (2011) "The syntax-phonology interface," in The Handbook of Phonological Theory, 2nd edition, John Goldsmith, Jason Riggle and Alan Yu (eds.), 434-485, Oxford: Blackwell. Richards, Norvin (2016) Contiguity Theory. Cambridge, MA: The MIT Press. Dobashi, Yoshihito (2020) Externalization Phonological Interpretations of Syntactic Objects. New York: Routledge. Saito, Mamoru and Naoki Fukui (1998) "Order in phrase structure and movement," Linguistic Inquiry 29(3), 439-474. Kensuke, Takita (2020) "Labeling for linearization," The Linguistic Review 37(1), 75–116. Hawkins, John A. (2004) Efficiency and Complexity in Grammars. Oxford: Oxford University Press.
授業の方法
履修者が文献についてレビューし、それに基づいて全員で議論を行う。
成績評価方法
授業内のレビュープレゼンテーションと期末レポートの総合評価による。
教科書
教科書は使用しない。履修者の関心に応じて適宜文献を紹介する。
参考書
適宜文献を紹介する。
履修上の注意
統語論の基礎知識を前提とした授業となるため、言語理論I/言語科学基礎論I(統語論入門)、またはそれに類する授業を履修している、あるいはそれに相当する統語論の知識を持っていることが望ましい。生成言語学が専門でない学生の履修も大歓迎だが、使用する文献の性質上、最低限「Xバー理論」という用語を知っていることが求められる。また、Sセメスターの内容を踏襲しているため、"Linear Correspondence Axiom"も前提知識とする。