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最終更新日:2024年4月22日

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言語科学基礎概論III

音韻論入門
 人間言語で用いられる音の分布や配列は,一見複雑には見えるがランダムになされているわけではなく,ある種の法則に従っている.それは誰しも当然のように受け入れ,それに従って言語を用いているにもかかわらず,自然法則の場合と同様に普段意識されることは全くない.しかし,共有された法則があるからこそ,母語話者は当該言語の音列を難無く生成・理解し,言語を問わずその獲得に大差は見られないのである.
 この授業では,そうした言語音の背後にある法則を探求することを通して,それを成り立たせる知識の構造(文法)を解明する分野 --- 音韻論(=音の文法)の世界へと誘い,英語や日本語などの身近な言語現象を観察しながらその初歩を導入する.要は,音韻論の基本的な方法論や思考法を学びつつ,身近な言語現象を観察してみること,そこで起きている現象の「なぜ」を探ることを目標とする.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D200-0261S
GAS-LI6A24L1
言語科学基礎概論III
田中 伸一
S1
金曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
 以下の計画で講義・演習を進める.第7回(最終回)はそれまでの内容を総括する意味で,期末試験を実施する. 第1回:音韻論のための音声学的基礎 第2回:子音や母音の音声学的特徴 第3回:弁別素性と自然類 第4回:音素と異音 第5回:現象の一般化と音韻規則1 第6回:現象の一般化と音韻規則2 第7回:期末試験  phonetics(音声学)とphonology(音韻論)はそれぞれhow-questionとwhy-questionに対応する分野であり,前者は個々の音や音列がどのような性質を持ちどのように生成されるのか,後者は生成された音列がなぜそのようなパターンを形成するのかを考究するものである.why-questionは当然ながらhow-questionを前提とするので,音韻論にとって音声学の基礎知識は必須となる.
授業の方法
 毎回の授業の進め方としては,指定範囲を必ず読んでくることを前提に,「プリントを用いた講義形式+関連問題を解く演習形式」のセットで話を進める.宿題も頻繁に課す.  話の流れにおいて,質問も大歓迎だが,指名も頻繁に行なう.積極的な参加を期待したい.双方向的な議論を通じて,拡大・深化させてゆきたい.  また、この授業のさらなるステップの中級編として、秋学期開講の言語理論IIまたは言語科学基礎論II(学部後期と大学院の共通科目でセメスター授業)の受講も推奨したい.
成績評価方法
 評価は提出課題や試験結果により総合的に行う.
教科書
 教科書は特になく,こちらが用意するブリントを配布する.UTOLからダウンロードすること.
参考書
 授業時に指示する.
履修上の注意
 この授業は学際言語科学コース「基礎言語理論III: 音の体系」との共通科目である.学際言語科学コース、および言語情報科学専攻必修指定の学生の必修科目であるので,コース所属(予定)者および指定者は必ず受講すること.なお、この授業は原則として対面授業だが、***第一回目はオンライン***で行う。