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最終更新日:2023年10月20日
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学術フロンティア講義 (気候と社会)
気候と社会
地球の気候システムはさまざまな時間スケールで変動しており、それにかかわる海洋環境の変化や極端気象の発生などの自然現象は、生態系はもちろん農林水産業といった人間社会の営みに影響してきた。20世紀後半以降、気候の温暖化が顕著となり、科学的な評価にもとづき、産業革命以降の文明社会が排出してきた温室効果ガスがその原因であることが明らかになっている。温暖化による社会への負の影響を最小限に抑えるため、2050年までに二酸化炭素の正味排出をゼロにするカーボンニュートラルが国際的な流れとなってきた。
気候変動あるいは地球温暖化の問題は、もはや自然科学の枠を超えている。気候変動を理解し予測する理学的なアプローチ、気候変動の影響を明らかにする農学・水産学・生物学的アプローチ、カーボンニュートラルを実現する工学的なアプローチに加えて、将来の社会の在り方に依存する温室効果ガスの排出経路推定、気候正義に代表される社会の格差解消に対する公共政策、個人から組織、国家までのさまざまな階層でカーボンニュートラルを達成するための行動変容など、人文社会科学的なアプローチを組み合わせたトランスフォーマティブサイエンスの実施が必要である。そこで本講義では、変わりゆく気候のもとで持続可能な社会を実現するための分野横断的な自然科学・社会科学・人文学研究を俯瞰する。
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