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最終更新日:2025年10月17日
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全学自由研究ゼミナール (ボーカロイド音楽論)
ボーカロイド音楽論
「ボーカロイド音楽論」を、稲見を代表教員とし鮎川ぱて氏によるリードで開講します。
本講義は、現代日本の音楽状況の中でもっとも重要な存在感を示す「ボーカロイド(ボ
カロ)」を用いた音楽群の分析を通して、音楽自体の本質に迫ろうというものです。「ア
ンチ・セクシュアル」というキーワードが、講義のひとつの軸になっていきます。
最初に「ボーカロイド音楽シーンの中で人気を博したのが、ラブソング群ではなかった
」という事実に注目します。かつて音楽評論家の湯川れい子さんは「人間は、思春期を迎
えるとラブソングを求めるようになる生き物なんです」と語りました。果たしてそうでし
ょうか。ボカロシーンでは、恋愛などの通念を自明とはしない感性を持った曲ーーアンチ
・ラブソングが人気を集めました(ex.「ラブという得体の知れないもの」)。人によっ
ては厨二病的とも言うその感性の内と外を、フランスの人文学者ミシェル・フーコーの議
論を参照しながら考えていくところから講義はスタートします。
講義全体の1/3以上を、ジェンダー/セクシュアリティの議論が占めることになります
。フェミニズム、LGBTQをはじめとする性の多様性理解、クィア理論など、ジェンダー
論の基礎を知ることはもちろん、それらが先端工学と関わった先にある、新しい身体論(
身体情報学)を考えることにも、本講義は役立つはずです。
主なアプローチ手法は、記号論、ジェンダー論、精神分析ですが、駒場と言えば、リベ
ラルアーツ。前記の人文科学的手法に留まらない領域横断的な分析を試みます。
ボカロは老若男女、すべての人を受け入れるシーンですが、その上で、やはり主役は、
若いみなさんだと思っています。みなさんが当事者として立ち会い、そしていまだ深度の
ある議論が少ないボカロカルチャーこそは、そのような批評の対象とするに最適です。
ボカロ、表現、科学、ジェンダー。これらのうちどれかひとつにでも高い関心を持って
いれば、どの立場の人も主役です。ボーカロイド音楽についての前提知識は必要ありませ
ん。科類も問いません。「感覚を思考の俎上に載せること」を恐れないあなたの参加をお
待ちしています。
<鮎川ぱてプロフィール>
ボカロP/音楽評論家
/東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程(身体情報学分野 稲見・門内
研究室)
/東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科 非常勤講師
/16〜23年度 東京大学教養学部非常勤講師として「ボーカロイド音楽論」を開講
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