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最終更新日:2026年10月16日

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初年次ゼミナール文科

20世紀イタリア史の探訪
【共通目標】
 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。
  「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。


【この授業の目標・概要】
 現代イタリア史を素材に、民主主義、経済成長、国民アイデンティティー、社会のネットワークなどに注目して、国民国家の形成や変化を考察します。

 20世紀以降の現代イタリアの歴史を学ぶ機会は、普通は多くありません。世界史を学んだ人でも、ローマと中世などイタリアという国が成立する前までがほとんど、19世紀半ばのリソルジメントと統一国家がほぼ唯一です。20世紀については、ファシズム時代の外交が登場するのみです。イタリアは学ばざるを得ない大国でも、モデルにすべき中小国でもない遠い国と考えられているからでしょう。
 しかし、現代イタリアの歴史は、日本と共通性が多く、「普通でない民主主義」として「奇妙なほど双子のように似ている」と言われてきました。ほぼ同じ時期に、統一国家の成立と国民国家形成に向けた歩み、民主化の模索と独裁成立による挫折、「敗戦国」からの民主主義・経済の再建、急速な戦後体制の発展とゆがみを経験します。比較的新しいところでは、1990年代初めに長期政権が崩壊し、経済が「失われた20年」へと突入してしまうところまで似ています。もちろん、相違点も見逃せません。イタリアは日本よりはるかに早く統一国家成立時から議会政治が機能していましたし、日本では官僚制はイタリアと違い制度化も自立化も進んでいました。
 さらに、「先進国」ながらそれになり切れないイタリアの現代は、それより進んでいるとされたアメリカ、ヨーロッパ、あるいは後れを取ったとされる国々にとっても、重要な参照点となってきました。イタリアは、政治、社会、経済、文化などさまざまな面で、社会科学や人文科学研究の重要な理論や研究が生まる宝庫です。

 授業では、イタリアの歴史だけでなく、ヨーロッパ、日本など他国の歴史との比較も交えます。関心のある地域や国を理解することにもつながるはずです。
 テキストは、日本語で入手可能な中ではもっともバランスが取れた通史の入門書と、もっとも詳細で洞察に優れた詳細な通史を用います。各時代に合わせて、歴史史料集の史料や、日本語(あるいは受講生の関心に応じて英語やイタリア語など)の論文も用いながら考察を深めます。
 授業では、研究文献の精読の精読と生産的かつ批判的議論の方法を学んだ後、研究論文の作成を目標として有意義な研究テーマの設定、先行研究との厳密な関連付け、適切な実証方法の選択、論文の議論構成、論文に適した文章作成方法の習得を目指します。そのために、セルフエディティング(自己編集)やプルーフリーディング(校正)など論文の質向上のための訓練も重視しています。

【授業形態】ディシプリン型
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31783
CAS-FC1510S1
初年次ゼミナール文科
伊藤 武
S1 S2
金曜1限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
第1回・第2回については、PDF版シラバスの「初年次ゼミナール文科」冒頭のページと、UTOLの「初年次ゼミナール文科(総合)」コース(ログイン後の画面の時間割の下に表示)で案内する。初回授業までに必ず確認しておくこと。 ------------------------------- 第3回  オリエンテーション+『イタリア史10講』(第6講〜第8講3) 第4回 『イタリア20世紀史』第1・第2章(+以下、本書に合わせた関連論文も含む) 第5回  同書 第3章/研究テーマの探し方 第6回  同書 第4・第5章 第7回  同書 第6章 /先行研究の探索と議論の構成 第8回  同書 第7・第8章   第9回  同書 第9・第10章  第10回  研究論文の作成(1)リサーチ・クエスチョンの導出と設定 第11回  研究論文の作成(2)先行研究との関連付けと実証方法の選択 第12回  研究論文の作成(3)論文の構成方法 第13回  研究論文の作成(4)エディティング・プループリーディング ※受講者数や関心で若干変更する場合があります。
授業の方法
*全ての授業で小論文が課される。 -------------------------------- 授業準備・授業・フォローアップの流れは、概ね次のようになります。 ①事前準備:専門文献の精読・関連論文の読解→概要・コメントの作成と提出 ②授業:プレゼン→ディスカッション(ペア・グループ・全体など) ③フォローアップ:議論内容の反映・次回課題の準備事 ④論文:準備(テーマ設定・先行研究調査・議論構成・ドラフト執筆)→クラスでのフィードバック・担当教員との面談→完成版の提出
成績評価方法
出席、報告および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する。  事前提出課題:30%  プレゼン:20%  授業での議論参加:20%  研究レポート:30%
履修上の注意
初年次ゼミナールの授業は20名前後で編成される。同一時間帯に複数の初年次ゼミナールの授業が開講される。各自が参加すべき授業の曜限はクラスごとに指定されており、その範囲で選択をおこなう。  毎回読解と課題提出が必要で、最後の研究論文提出も含めると負担は少なくありません。その代わり、研究の作法を身に着け、自分で進めていける基礎は身につけられるはずです。積極的な方の参加を望みます。