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最終更新日:2025年4月21日

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全学自由研究ゼミナール (言語の技術と専門語彙Technology of Language and Terminology)

言語の技術と専門語彙 Technology of Language and Terminology
日本語のようにあまり小さくない「国民国家」の公用語には、母語として自然に身に付くわけでは必ずしもない技術的な言語操作の領域が接続している。これらは言語学や語学が扱うものではない(例えばイスラエルがパレスチナでやっていることが「ジェノサイド犯罪」であることを確認する作業は一般の市民が普通に行うことであるが、その際に「ジェノサイド犯罪」の意味を言語学者にきくことはせず、ジェノサイド条約と国際刑事裁判所ローマ規程を参照する)。この領域のかなりが、現在の中等教育まで(高等学校まで)のカリキュラムの枠組みが成立した19世紀後半よりも後に発達したものであり、従って、明示的に学習の対象となっていない。本セミナーはそのような領域が存在することそしてその位置付けを確認し、言語のテクノロジーの初歩の初歩を理解することを目的とする。
The sphere of the learned use of languages has been developed in the past 150 years. It is apparently indistinguishable from "native language" in larger languages including Japanese, but the skill to manipulate it cannot be obtained naturally. This seminar introduces this area of language, with special reference to the technologies of language (not NLPs) and terminology.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31780
CAS-TC1200S1
全学自由研究ゼミナール (言語の技術と専門語彙Technology of Language and Terminology)
影浦 峡
S1
火曜2限
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講義使用言語
日本語、英語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
第一回 言語技術の領域と語学・言語学・文書論 第二回 できることとわかることとわかることを足場としたできること 第三回 言語の基盤と人のもたれあいと存在の拘束性・メタ科学の課題と20世紀の空疎なコミュニケーション論 第四回 専門語彙とメタ言語 第五回 LLM、「人は言語を使えるから賢い」「言語の賢い使用ができる人」 第六回 言語の破壊について 第七回 まとめ
授業の方法
オンラインにより講義と実習課題を交えて行う。本セミナーはオンラインで行う。その積極的な理由がいくつかある。第一に、そもそも認識を可能にする言語技術は「ね、わかるでしょ」といった事前の了解に訴えて誤魔化す領域を最小化するために発展してきたものであることであり、これは対面で表情等が見えることによる曖昧な領域を排除するオンラインでの授業と相性がよい。第二に、言語技術を活用するプロフェッショナルな領域である翻訳や専門語彙管理等は対面で出会ったことがない世界の各地の専門家がオンラインでやり取りを行なって進めるのが標準であり、それと相性がよい。第三に、そもそもおよそ普遍的認識を目指すために展開されてきた言語技術は共時的には80億の人々と、通時的には過去および未来の人々と共有可能な認識を理論的に目指すものであり、その観点から対面で少数者が顔を合わせながら授業を進めることに意味はない。「アリストテレスとの対話」と称してオルガノンを読み込む人文系が対面にこだわるのは笑止である。もちろんこのように言うことは、教育においてどうしても対面が必要とかそれが効果的であることを否定するものではない。しかしながらその必要性や効果のほとんどは、教育における本質であるとしてもコミュニケーションにおける本質ではない欠落から来るものである。
成績評価方法
平常点で評価する。
履修上の注意
タッチタイピングができていることが望ましい。