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最終更新日:2026年10月16日

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初年次ゼミナール文科

もう受けることのない高校の漢文の授業を、もう一度だけ思い出してみよう
【共通目標】
 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。
  「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。


【この授業の目標・概要】
入学おめでとう。新たな学びに胸ふくらませているときに、もうおさらばしたはずの高校の授業、それも漢文のを思い出してみようだなんて、なんと無粋なと思うだろうが、それは大学で学ぶ姿勢と技法を身につけるこの授業の、一つの出発点を示したにすぎない。別に漢文の授業をするわけではないので、安心して選択してもらいたい。
高校には国語という教科があり、大学には文学部というところがある。両者はなんとなく似ているようであり、文学部(あるいは教養学部の関連領域)には、高校で国語が好きだったという理由で進学する人も多いようだ。結構である。ただ、大学まで来て高校と同じことをするのも芸のない話だし、一方で進学してから「思ってたのと違う」というようなことは、できれば避けたい。
たとえば、高校でほとんど誰もが習ったであろう『史記』の「四面楚歌」の話を思い出してみよう。それについて文学研究者が書いた論文を読みながら、研究という行為を追体験することが第一の目標である。そして、そこから得た問題について自ら資料を集めて考え―それは既に研究に一歩足を踏み入れたことになる―文章にまとめることが、第二の目標になる。さらに、それを受講者相互で批評することを行いたい。教員に教えられるのでなく、自ら学ぶこと、相互に学び合うことを、態度として身につけてほしいと願うからで、それが第三の、究極の目標である。  

【授業形態】ディシプリン型と文献批評型の折衷。学生各自のテーマの立て方によって、がっつり漢文に取り組むことも、ひろく文学、言語、漢文教育などの諸問題に重点を置いて考えることも可能である。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31747
CAS-FC1510S1
初年次ゼミナール文科
谷口 洋
S1 S2
火曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
第1回・第2回については、PDF版シラバスの「初年次ゼミナール文科」冒頭のページと、UTOLの「初年次ゼミナール文科(総合)」コース(ログイン後の画面の時間割の下に表示)で案内する。初回授業までに必ず確認しておくこと。 ------------------------------- 第3回以降 以下のような内容で進める。詳細は第3回の授業に説明する。 ・アイスブレイキング。これまでに読んだもののや授業で習ったものの感想、高校までの国語の授業で感じたことなどを交えつつ、自己紹介し、お互いの関心の方向を知る。 ・例示と書評。半世紀以上前になるが、『史記』の「四面楚歌」の場面と、それと対照的な劉邦の里帰りの場面をめぐって、学界で論争が繰り広げられたことがあった。関連する論文を読み、その要約と批評を書くことにより、文学研究の視点と方法を学ぶとともに、「批判的読解」と「アカデミック・ライティング」の技術を体験的に学ぶ(取りあげる材料は別のものにする可能性もある。4月のガイダンスで説明する)。 ・テーマの選定、資料調査と発表。上の作業を踏まえ、小論文で取りあげるテーマを選定し、各自で資料調査と考察を進める。教員が例として取りあげるのは中国文学の研究であるが、中国以外の文学、あるいは中国の歴史や文化について考えたい人も歓迎する。漢文は、本来中国語であるものを日本語で読むという点で、言語学の興味深い対象でもある。漢文そのものより、国語の授業や、学校教育に関心のある人がいてもよい。学期途中に口頭発表を求めるが、全員の前での発表のほかに、関心の近い学生同士でグループディスカッションの機会を設けることも検討している。 ・小論文執筆。発表と討論をふまえ、各個人が小論文を執筆する。再び個人作業となり、孤独な作業が続くが、それに耐え得た者だけが、他者との知的な連帯に到達できるのである。 ・論文の相互批評。6月末頃に、小論文のもととなる中間論文を提出してもらう。教員によるコメントとは別に、複数の受講生による匿名のコメントが附される。当然、他の複数の受講者の論文に対してもコメントしなければならない。他人のコメントをふまえて自分の論文をよりよくするのはもちろんだが、他人の論文を十分に理解し、的確にコメントすることも求められる。 ・授業をふり返り、他者のコメントをふまえて、小論文を完成する。最後に提出された論文は、学内の情報システム上で受講生全員が共有できるようにしたい。
授業の方法
*全ての授業で小論文が課される。 -------------------------------- 授業計画にみるように、講義・討議・個人作業が、小論文執筆という目標に向かって組み合わされる。 
成績評価方法
出席、報告および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する。平常点と小論文の重みは同等である。ただし平常の営みは、すべて小論文作成に向けて行われるものであるから、平常点と小論文を別個に採点して足し算するのではない。
履修上の注意
初年次ゼミナールの授業は20名前後で編成される。同一時間帯に複数の初年次ゼミナールの授業が開講される。各自が参加すべき授業の曜限はクラスごとに指定されており、その範囲で選択をおこなう。 各回の授業に対する準備と事後の課題は、第3回の授業で説明する。
その他
授業ではじめに使う資料はこちらで用意するので、高校の教科書を処分してしまった人も履修には全く問題ない。