学部前期課程
HOME 学部前期課程 初年次ゼミナール文科
過去(2023年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2025年4月21日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

初年次ゼミナール文科

上田秋成『雨月物語』を読む
【共通目標】
 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。
  「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。


【この授業の目標・概要】
 『雨月物語』という作品の名称はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。『雨月物語』は、江戸時代中期の学者である上田秋成の書いた、いわば「怪談小説集」です。広い意味での「古文」に含まれる文章で書かれていますが、高校の古典の知識があれば、注を頼りにして読むことは難しくありません(受験勉強で鍛えられた皆さんにとっては、むしろ「易しい」と感じられるでしょうし、現代語訳もあります)。九篇の物語のうちには、恋の妄念の話もあれば、友情や政治にまつわる話もあり、誰でも一篇は「面白い」と思える物語があるのではないかと思います。このように『雨月物語』は現代の読者にも「読み物」としてとっつきやすい一方で、作品自体は、日本・中国の様々な典籍の知識が融合することで展開した江戸時代の学問・文学の世界に深く根差しています。『雨月物語』は、間口が広く、かつ奥行きが深い傑作であるといえるでしょう。
 授業では、『雨月物語』各編の解釈について報告してもらい、それを土台にして、どのような「読み」が可能で、そして妥当なのかについて議論していきます。小論文執筆の過程で、重厚な『雨月物語』研究の蓄積の一端に触れることになるでしょうが、先ずは古典作品を楽しく熟読玩味することに重きを置いています。報告と議論を通じて、「読む」という一見単純な営為の複雑さに自覚的になってもらうことを目標としています。

【学術分野】国文・漢文学   

【授業形態】文献批評型
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31742
CAS-FC1510S1
初年次ゼミナール文科
高山 大毅
S1 S2
火曜3限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
第1週・第2週については、PDF版シラバスの「初年次ゼミナール文科」冒頭のページと、ITC-LMSの「初年次ゼミナール文科(総合)」コース(ログイン後の画面の時間割の下に表示)で案内する。初回授業までに必ず確認しておくこと。 ------------------------------- 第3週 導入—古典作品を「読む」こと― 第4週 白峰 第5週 菊花の約 第6週 浅茅が宿 第7週 夢応の鯉魚 第8週 仏法僧 第9週 吉備津の釜 第10週 蛇性の婬 第11週 青頭巾 第12週 貧福論 第13週 作品全体を振り返って *授業外の時間に各回15分の質問対応を設けます。詳細は授業中に指示します。 =========
授業の方法
*全ての授業で小論文が課される。 --------------------------------  毎回、事前に提示された解釈上の「論点」に関する意見と、自分の考える「論点」について、短いレポートを参加者全員に提出してもらいます。各回の報告担当者は資料を作成し、「論点」に関する報告を行います。各回の議論の中で浮上した「論点」を基礎にして小論文を執筆してもらいます。  抽選によって履修が決まったら、下記の岩波文庫版の『雨月物語』をなるべく早く入手して『雨月』各篇の概要だけでも把握しておくようにしてください(報告担当の回を決める上で重要なことです)。電子書籍ではなく、通常の文庫での購入を薦めます。毎回一篇ずつ進むので、事前に各編を熟読した上で、毎回の授業に参加するようにしてください。
成績評価方法
出席、発表および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する。 
履修上の注意
初年次ゼミナールの授業は20名前後で編成される。同一時間帯に複数の初年次ゼミナールの授業が開講される。各自が参加すべき授業の曜限はクラスごとに指定されており、その範囲で選択をおこなう。