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最終更新日:2024年3月15日

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初年次ゼミナール文科

ディレンマとつきあう平和構築
【共通目標】
 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。
  「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。

【この授業の目標・概要】
 武力のせいで平和がこわれることもある一方で、武力によって平和がつくられることもある。このすっきりとは割り切れないディレンマこそ、戦争と平和の学問として出発した国際政治学が抱え続けてきた最も大きな難問の一つといってよいだろう。そして、このようなディレンマは、国際政治の至るところにみつけることができる。
 この授業では、国際政治学の一分野である広義の「平和構築論」に焦点を当て、そこにみられるディレンマの分析を通して、国際政治の構造自体を理解することを目指す。具体的には、平和な状態の回復を目指す政策(人道的介入、対テロ武力行使、人道支援、仲介など)、維持を目指す政策(平和維持活動など)、定着を目指す政策(狭義の平和構築活動=国家建設、国際刑事裁判、和解など)を扱う。

 履修者が学期末に到達することを期待される目標は、以下の6点である。
①平和構築に関する専門的な文献の意義や問題点を指摘することができる(課題文献の輪読で訓練⇒小論文に活かす)
②平和構築に関する資料や文献を自ら適切に収集することができる(課題文献の輪読で訓練⇒小論文に活かす)
③懐疑的な読者の存在を常に意識して、予想される反論にあらかじめ応答することができる(簡易ディベートで訓練⇒小論文に活かす)
④平和構築のあらゆる段階に存在するディレンマについて、何が問題かを事例を挙げて説明することができる(すべての回で訓練⇒小論文に活かす)。
⑤平和構築のあらゆる段階に存在するディレンマについて、それが生じる原因を事例を挙げて説明することができる(すべての回で訓練⇒小論文に活かす)。
⑥平和構築のあらゆる段階に存在するディレンマについて、それを管理したり解決したりする方法を事例を挙げて説明することができる(すべての回で訓練⇒小論文に活かす)。

【学術分野】国際関係

【授業形態】ディシプリン型
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31741
CAS-FC1510S1
初年次ゼミナール文科
中村 長史
S1 S2
火曜1限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
第1週・第2週については、PDF版シラバスの「初年次ゼミナール文科」冒頭のページと、ITC-LMSの「初年次ゼミナール文科(総合)」コース(ログイン後の画面の時間割の下に表示)で案内する。初回授業までに必ず確認しておくこと。 ------------------------------- 【第1部:よき読み手への道】 第 3 回 武力紛争・平和構築の概説/研究の「型」と「作法」 第 4 回 武力紛争・平和構築の概説② 第 5 回 輪読①(テーマ:冷戦後の武力紛争) 第 6 回 輪読②(テーマ:軍事介入)/発表のコツ 第 7 回 小論文の第一次報告① 第 8 回 小論文の第一次報告② 【第2部:よき書き手への道】 第 9 回 輪読③(テーマ:国際刑事裁判)/簡易ディベート① 第10回 研究の型と作法②/簡易ディベート② 第11回 小論文の第二次報告① 第12回 小論文の第二次報告② 第13回 小論文の個別相談 *授業外の時間に各回15分の質問対応やミニレクチャ―動画視聴の時間をもうける。詳細は各回の授業中に指示する。
授業の方法
*全ての授業で小論文が課される。 --------------------------------  質の高い小論文を作成する力(目標に記載されている力)を養うため、課題文献の輪読(A4一頁程度で要旨、意義、問題提起をまとめる)と簡易ディベートを組み合わせて進める。   第1部(よき読み手への道)では輪読に重きを置くが、第2部(よき書き手への道)では簡易ディベートの比重が増す。  第1部の終わりに小論文の第一次報告の機会を設けている。履修者は、この段階で、自身の問いや問いの意義をレジュメで説明できるようになっていることを目指す。第2部の終わりの第二次報告の際には、答えや根拠についてもレジュメで説明できるようになっていることを目指す。第二次報告の際の教員・TA・クラスメイトとの質疑応答を踏まえ、夏季休暇中に内容のさらなる充実を図りつつ、小論文の形に仕上げ、8月10日前後に提出する。
成績評価方法
出席、発表および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する。 
履修上の注意
初年次ゼミナールの授業は20名前後で編成される。同一時間帯に複数の初年次ゼミナールの授業が開講される。各自が参加すべき授業の曜限はクラスごとに指定されており、その範囲で選択をおこなう。