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最終更新日:2024年4月22日

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学術フロンティア講義 (西洋史学へのいざない)

西洋史学へのいざない
高等学校などでは外国の歴史は、「世界史」として教えられています。しかし東大を始めとする多くの大学では、外国史は「西洋史学」や「東洋史学」の形で学ぶ/研究することになっています。もちろん、こうした枠は絶対的なものではなく、西洋と(日本を含めた)東洋との関係も研究のテーマとなり得ます。近年の「グローバル・ヒストリー」の隆盛は、そうした地域横断型の歴史研究の一例です。
その一方、我々の生きてきた世界において、ヨーロッパは単なる一地域にとどまらぬ個性をもち、他の地域に対して、良きにつけ悪しきにつけ大きな影響を与えてきました。この授業では、そうしたヨーロッパの歴史について考えるための手がかりを皆さんに提供することを目標としています。 
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31693
CAS-TC1100L1
学術フロンティア講義 (西洋史学へのいざない)
長井 伸仁
S1 S2
月曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
人文社会系研究科・文学部の西洋史学の教員によるオムニバス形式で行います。以下のスケジュールで行います。 初回:ガイダンス。 第2・3回:菊地重仁(中世史) 第4・5回:勝田俊輔(近世・近代史) 第6・7回:長井伸仁(近現代史) 第8・9回:池田嘉郎(近現代史) 第10・11回:北村陽子(現代史)
授業の方法
担当教員は、それぞれ以下のような切り口でヨーロッパの歴史を紹介します。 菊地重仁:「中世のヨーロッパ世界において、キリスト教という宗教が圧倒的な影響力を持っていた、ということはよく言われます。しかしもちろんそれは、中世のヨーロッパ社会がモノトーンなものだったということを意味してはいません。今回は、区別、差別、共生、共存、多様性など、現代社会の問題を論じる際にもよく登場するこれらのキーワードを念頭に、中世ヨーロッパ社会を考察してみましょう。」 勝田俊輔:「ヨーロッパには、古代から世界市民主義(コスモポリタニズム)の理想が存在しており、18世紀に全盛期を迎えました。この当時のヨーロッパの知識人が、どのようにして世界市民であろうとしたのか、考えてみましょう。」 長井伸仁:「近代ヨーロッパを特徴づける現象のひとつとして都市化があげられます。19世紀の百年で人口が5倍になったパリは、その典型例です。急激に変化する都市社会のなかで、人びとはどのように生きていたのでしょうか。革命をはじめとした政治変動との関連も視野に収めながら考察してみたいと思います。」 池田嘉郎:「ソ連史上、スターリン時代は市民に対する抑圧がとくに厳しくなりましたが、モスクワ改造など、社会主義文明の構築が目覚ましく進んだことも確かです。スターリン時代のもつ両面性について歴史的文脈の中で検討してみましょう。」 北村陽子:「戦争という大きな災害のあとで、人びとは日常生活を取り戻すためにどう対応したでしょうか。20世紀に起きた二つの世界大戦後のドイツでとられた方策を例に、考えてみましょう。」
成績評価方法
学期末の試験によって成績を評価します。
履修上の注意
講義を主体とする授業ですが、討論も行います。積極的な発言を歓迎します。