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最終更新日:2024年8月27日
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人種とジェンダー
脱帝国主義/植民地主義のために——東アジアにおけるレイシズムと〈ヘテロ〉セクシズムの交差
【概要】
2020年5月25日、アメリカで白人警官が黒人男性のジョージ・フロイドを窒息死にいたらしめた事件に抗議して、全米でBlack Lives Matter(BLM)を訴える抗議デモが再燃しました。日本でもさまざまな媒体がBLMをとりあげて話題になりましたが、「(アメリカとちがって)日本にレイシズム(人種差別)は存在しない」とする主張もSNSで広く見られました。日本に「レイシズムはない」のでしょうか。あるいは「日本にレイシズムは存在しない」とする言説は、いかなる歴史的・社会的文脈において形成されてきたのでしょうか。そもそもレイシズムとはどのような種類の暴力なのでしょうか。
この講義では、はじめにレイシズムとそれに関連するいくつかの重要な概念(エスニシティ/ネーション/ナショナリズム)の意味や成り立ちを近代国民国家と関連づけて説明します。次に、〈ヘテロ〉セクシズムについて講義します。そのうえで、日本を事例として、近代化の過程で「人種」や「民族」といった言説がどのように活用されてきたか、それが〈ヘテロ〉セクシズムと結びついて帝国の建設や植民地主義といったプロジェクトにいかなる貢献をもたらしたか、さらにはこれらの歴史が現代の東アジアや日本社会にどのような影響を及ぼしているかを批判的に考察します。
【目標】
レイシズムや〈ヘテロ〉セクシズムとそれに関連する重要な概念について基礎的な知識を習得すること、東アジアの帝国主義/植民地主義の歴史を学ぶこと、そのうえで脱帝国主義/植民地主義のプロジェクトへの参与を促します。すなわち現代日本におけるレイシズムやナショナリズム、歴史修正主義といった諸問題を歴史的文脈に位置づけて批判的に考える力を養うことを目指します。
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