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最終更新日:2024年4月22日

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全学自由研究ゼミナール (北アフリカの歴史と文化(マグリブ入門))

北アフリカの歴史と文化(マグリブ入門)
この授業では、北アフリカ・マグリブ地域(今日のアルジェリア、チュニジア、モロッコに当たる地域)の歴史と文化に対する理解を深めるため、日本語または英語で読んだり、視聴したりできる教材(翻訳や創作物も含む)を用い、その内容を議論する。教材の理解に必要な歴史的背景や分析方法についての知識を補うため、教材と一緒に短めの学術論文も読んでいく。現代日本とは異なる価値観や歴史的・文化的文脈の中で書かれた旅行記、外交文書、地図などの史料(ただし言語上の制約のため、この授業では翻訳を多く用いる)を読みこなしたり、歴史に題材をとった創作作品を批評することを通じて、北アフリカの歴史と文化を知り、北アフリカにまつわる様々な言説やイメージを参加者が自分なりに解釈できるようになることを目指す。

参加者には、毎回事前配布する課題テキスト(基本的には英語または日本語の教材1~2点と、学術論文1本のセット)を必ず事前に読むことが課される。授業日にはまず、講師による講義で背景知識を学んだうえで、講義終了後に行うディスカッションに積極的に参加することが期待される。ディスカッションをスムーズに進めるうえでの手がかりにするため、いくつかの設問に対して授業で学んだ内容を答えたり、自分の意見を述べたりする形式のリアクションペーパーを講義終了後の授業中に記入・提出してもらう。リアクションペーパーの設問は、課題テキストとともに事前配布するので、授業前に分かるところは記入をはじめてもらってよい。

マグリブ地域やイスラーム文化、植民地史に関心がある参加者を歓迎する。中東・北アフリカ史、アラビア語およびフランス語の基礎的な知識があることが望ましいが、いずれも必須条件とはしない。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31676
CAS-TC1200S1
全学自由研究ゼミナール (北アフリカの歴史と文化(マグリブ入門))
渡邊 祥子
S1 S2
月曜4限
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講義使用言語
日本語、英語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
授業前半は教材の背景説明をする講義に充て、講義終了後リアクションペーパーを記入する時間を取る。その後、ペーパーに沿ってディスカッションを行う形式とする。 第一回から十三回までの主題(予定)と主な教材(同)は以下の通り。 第一回:ガイダンス(マグリブ概論) 教材:なし オンライン形式 第二回: マグリブ人の旅行記(1) ・イブン・バットゥータ著, イブン・ジュザイイ編, 家島彦一訳注, 『大旅行記1』, 平凡社, 1996年. 第三回:マグリブのイスラーム社会 ・イブン・ハルドゥーン著, 森本公誠訳, 『歴史序説1』, 岩波書店, 2001年. 第四回:マグリブ人の旅行記(2) ・Ahmad bin Qasim [al-Hajari], “France and Holland,” in In the Lands of the Christians: Arabic Travel Writing in the Seventeenth Century, edited and translated by Nabil Matar, Chapter 1, London and New York: Routledge, 2003. 第五回:マグリブ人の旅行記(3) ・Muḥammad aṣ-Șaffār, “Our Stay in This City,” in Disorienting Encounters: Travels of a Moroccan Scholar in France in 1845-1846, translated and edited by Susan Gilson Miller, Chapter 5, Berkeley and Los Angeles: University of California Press, 1992. 第六回:ヨーロッパ人の旅行記(1) ・John D. Foss, “A Journal, of the Captivity and Suffering of John Foss,” in White Slaves, African Masters: An Anthology of American barbary Captivity Narratives, edited and with an introduction by Paul Baepler, pp. 71–102, Chicago and London: The University of Chicago Press, 1999. 第七回:ヨーロッパ人の旅行記(2) ・ウジェーヌ・フロマンタン著, 川端康夫訳, 『サハラの夏』, 法政大学出版局, 1988年. 第八回:ヨーロッパ人の旅行記(3) ・イザベル・エベラール著, 中島ひかる訳, 『砂漠の女』, 晶文社, 1990年. 第九回:植民地化の歴史(1) ・反植民地主義抵抗運動に関する映像作品 第十回:植民地化の歴史(2) ・Marcel Monmarché ed., Les Guides Blues: Algérie, Tunisie, Tripolitaine, Malte, Paris: Librairie Hachette, 1930. 第十一回:ナショナリズムの時代(1) ・Ferhat Abbas, “En marge du nationalisme: La France, c’est moi !” L’Entente Franco-Musulmane, no. 24 (27 February 1936) ; ʿAbd al-Ḥamīd ibn Bādīs, “Kalima ṣarīḥa”, al-Shihāb vol.12, no.1 (April 1936): 42–45(ともに講師による日本語訳). 第十二回:ナショナリズムの時代(2) ・Jane Priestland ed., Islam: Political Impact, 1908–1972, British Documentary Sources, vol. 6, Slough: Archive Editions, 2004, pp. 13–24. 第十三回:脱植民地化と独立 ・脱植民地化に関する映像作品
授業の方法
授業は講義(前半)と教材に関するディスカッション(後半)に分かれる。 ディスカッションを進める手がかりにするため、教材や講義内容に関連する設問形式のリアクションペーパーを授業の前半と後半の間(講義終了後)に記入してもらう。リアクションペーパーの設問は、課題テキストとともに事前配布するので、授業前にあらかじめ記入してもらってよい。
成績評価方法
ディスカッションの形式と成績評価方法は以下のとおり。 (1)出席者数が20人以上の場合、ディスカッションの形式はグループワーク方式。 授業ごとの出席者数が20人以上の場合、受講者を複数のグループに分け、リアクションペーパーの設問をグループで完成させてもらい、代表者に報告してもらうグループワーク方式でディスカッションを行う。グループワーク方式の場合、個人の貢献の評価をするのは技術的に困難なので、出席点のみ。 (2)ディスカッション(19人以下の場合)の成績評価は加点方式とし、出席点をより重視する方法とする。 出席者数が19人以下の場合、全員でのディスカッションを行う。この場合の成績評価も、出席点を基本点とし、ディスカッションに貢献した参加者に加点をする形とする。なお、参加者ができる限り平等な発言機会を得られるよう、講師が発言者を指名する場合がある。 (3)リアクションペーパーの内容は細かく採点しない。 リアクションペーパーの内容について細かい採点は行わない。出席・受講の確認と、受講者と講師のコミュニケーションのために利用する。
履修上の注意
第一回のみZoomによるオンライン形式で行う(URLはLMSで通知する)。第一回は課題テキストなし、授業全体に関するイントロダクションとする。第二回以降は原則的に対面。 第二回以降の課題教材もLMSで配布するので、事前にアカウント登録をお願いしたい。