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最終更新日:2025年4月21日

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全学自由研究ゼミナール (研究入門:現代社会を深堀りする(情報学環・開沼博ゼミ))

研究入門:現代社会を深堀りする(情報学環・開沼博ゼミ)
【2025/4/7修正】
◆本ゼミの概要
このゼミでは社会学・社会心理学・メディア論やその周辺領域の知見をベースに、政治・経済・文化・科学技術・医療福祉・教育等多様な領域を越境しながら現代社会の流行や課題、あるいは普段は意識されていないが多くの人が目撃しているはずのテーマをとりあげます。

◆そもそもゼミって?
この「研究入門」の受講者には情報学環・開沼研究室が主催するゼミに参加していただきます。
(ゼミといっても色々ありますが)ここでいうゼミとは、担当者のプレゼンテーションと、それを元にした参加者同士でのディスカッションで構成される形式の授業を指します。講義を聞く、書籍を読む、それによって知識を補完したり体系的に理解したりするという勉強方法ではなく、参加者が調査や実験を自らの手で進めて得られた知見と、それについての質問やコメントとで成立します。

◆どんなテーマを扱う?
具体的に2024年度Sセメスターでとりあげるテーマは以下を想定しています。
・アニメは現代人を救うのか:聖地巡礼・ボーカロイド・Vtuber・生成AI・災害復興等に注目して
・海外マスメディアは日本をいかに描いているのか
・ももクロファンとウェルビーイング
・日本の新宗教の信者とコミュニティの現場
・東京の最先端はいまどこにある:クラフトカルチャーの現在地
・訪日外国人から見える日本社会の特異性
・「風評」が生まれるメカニズムとは
・富裕層はどんな人とつながり、何を楽しみに生きているのか
といったことを時間の限り扱っていきます。

◆何を学べる?どんな力がつく?
上記のテーマを見て何を感じるでしょうか。
全てではないにしても、どれかは面白そうだなと思ってくれる人もいるでしょう。
一見軽薄に見えるかもしれないし、「そんなの学問の対象としてよいの?」と思うかもしれません。
ですが、これらは立派な学問であり、現代社会を論じる上で避けては通れないといっても過言ではない、価値ある研究対象です。
まず、上記のテーマを見て、これは面白そうだなと思えるならば、それぞれのテーマについて深く学ぶことができます。
ただそれ以上に学べることは「研究とはなんぞや」ということです。
このゼミでは「学術的な研究とは何か?どういう方法や観点で進めていけばよいのか?」ということに触れ、論理的思考はじめ未知のことにどう向き合うかという点で必要なスキルを学ぶことができます。
人によっては、普段学んでいること、3年生から学ぼうとしている専門領域とは離れていると思う人もいるかもしれませんが、それでも「学術的に研究をする」ということの根本は同じです。
現代社会を深堀りするということは、身近で具体的なことを扱うということにつながります。それ故、「研究」にふれる機会がまだ少ない学部生に、「研究」とはいかなる営みなのか、学んでもらいやすい内容でもあります。

※ガイダンスは担当教員の他のSセメ開講科目の内容とあわせてオンラインにて実施します。
4月6日に以下のURLに動画をアップロードしましたのでご参照ください。
https://docs.google.com/*****
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31668
CAS-TC1200S1
全学自由研究ゼミナール (研究入門:現代社会を深堀りする(情報学環・開沼博ゼミ))
開沼 博
S1 S2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
◆スケジュール・場所・頻度は? 月2-3回火曜17時から2-3時間、本郷キャンパス情報学環本館で月2-3回ペースで実施します。具体的な日時等詳細はガイダンスでお知らせします。
授業の方法
◆どうやって進める? この授業の参加者は、上述したようなテーマについて、まずプレゼンテーションを聞きます。 20分程度のプレゼンテーションを聞く間に、これまで様々な専門性をもつ研究者がどのような発見をしてきたのか俯瞰し(「先行研究の検討」と言います)、まだわかっていないことが何なのかが洗い出されます。そして、具体的な調査や実験にもとづいた分析結果を理解することになります。 それに対して、40分程度かけて参加者同士でディスカッションをします。1,2年生でもここからなら十分に参加可能です。 テーマは何らかの形で現代社会を深堀りするものです。現代人には現代社会を生きるための予備知識がありますので、みなさんも十分についていける場合がホトンです。ただ、それでもわからないことは必ず出てきます。もっと具体的な話がほしいとか、「理論」を出してきたけどそれって何、とか。「質問力」は試されます。「この点をもっと知りたい」「こういう議論も必要じゃないか」といった問いをなげかけ、議論に積極的に参加してください。 プレゼンが20分で質疑が40分程度。これで1時間。それを2-3セット。これが毎回のゼミの基本的な流れです。 ◆どんな人にオススメ? 大学院進学を検討している人/メディア・ジャーナリズムに関心がある人/学際的・文理融合的な勉強をしたいと思っている人/様々な業界の一線で活躍する社会人を含む大学院生と議論をしながら自分を高めたい人/中高のときに探究・総合学習や現代文が好きで、社会調査や社会思想などを横目で見ながら深く考えることに好奇心旺盛な人
成績評価方法
以下の割合で評価します。 ▼ゼミでのコメントシート記入&グループディスカッション参加 100% 毎回、何らかのアウトプットが求められることになるので、欠席すれば自動的に点数は減ることになります。 ただし、コロナ感染等明確な欠席理由があり、出席の代替措置を希望する場合は、都度事前にメールにてご相談ください。"
履修上の注意
◆担当教員の講義・ゼミ 以下が教養学部前期課程で担当教員が開講する講義・ゼミです。関心があるテーマがあれば、あわせて受講することを推奨します ・総合科目C講義「現代社会論入門:”白書”と”メディア”から読み解く現代社会」(Sセメ・火2)とあわせて受講すると政策や行政のあり方に詳しくなります。研究はもちろん、就活・社会人になってからも知っておくべき知識を得られます。同時に大量のインプットとアウトプット、論点をつかみ議論を先導するトレーニングにもなります ・全学自由研究ゼミナール「研究入門:現代社会を深堀りする(情報学環・開沼ゼミ)」(Sセメ・集中)は、人文・社会科学のゼミに学部1・2年のうちから参加することで、研究とはいかなる営みか学びます。現代社会の先端的な、馴染みやすいテーマを扱うので、ついてこれる一方で、毎回、それなりに長時間におよび議論を続けることになるのでそれに耐えうる知的体力は必要です。 ・全学体験ゼミナール「フィールドワーク入門:現代社会を歩く」(Sセメ・集中)は、様々な現場に赴きそこに生きる方々の声に耳を傾け、風景、あるいは目に見えない歴史的蓄積をさぐります。頭と手足との全てを回しながら現代社会を捉え直すトレーニングの機会を提供しています。 ・全学体験ゼミナール「東大福島部:福島を見る・食べる・学ぶ・遊ぶ」(Sセメ・集中)は、講義名のとおりですが、東日本大震災・東京電力福島第一原発事故の被災地の前から数えると20年ほど福島をフィールドに、災害にとどまらない多様な側面を研究を続けてきた講師が、座学と現地訪問とを組み合わせて多角的にガイド。一つの食材(フィールド)をあらゆる角度から切り刻み、知る限りの方法を駆使しながら徹底的に料理する魅力を伝えるよう努力しますので、それを五感で感じ、人にも伝えられる力を養って頂ければと思います。 ・全学体験ゼミナール「探究学習論:中高生向け教育プログラムのデザイン・実践」(Sセメ・集中)は高校・中学で進む「探究的な学び」の現在について考え・実践します。高等学校で「総合的な探究の時間」が必修科目化したのは2022年度のこと。2025年度からは、大学に「探究学習ネイティブ世代」が入ってくることになります。その意義と課題・可能性とを改めて俯瞰するとともに、実際に中高生向け探究教育プログラムのデザインと実践をします。
実務経験と授業科目の関連性
担当教員はいわゆる実務家教員ではないものの、経産省・環境省・復興庁等の有識者会議委員や政治・行政・住民等の多主体間対話の設計などに関わってきた経験があり、また上述のフィールド研究の延長でマスメディアや出版、シンクタンク、教育、地方自治等の現場にも実務的に関わる機会を持ってきました。学術とその外部とを往還する中で得られた種々の社会現象の細部に関する知見や、そこで体験した学術の価値については講義の中で随時共有していこうと思います。