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最終更新日:2024年10月1日

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文理融合ゼミナール(メディアと芸術)

Other Musics/アザー・ミュージックス
「実験音楽」と呼ばれてきた音楽を真面目にお勉強することほど、実験音楽の精神に反することはないかもしれません。また近年「実験音楽」というカテゴリー自体の排他性に関してさまざまな批判が出ていることを踏まえれば、そのようなジャンルを確立されたものとして学問の対象とすることも馬鹿げています。しかしその一方で、COVID-19の蔓延に伴って、大学での授業を含めたコミュニケーションが大きな変化を強いられている今日の状況は、これまで何の役に立つのか分からなかった色々な実験の使い道をあらためて考えるチャンスでもあります。

すこし昔までニューヨークのダウンタウンにあったOther Musicというレコードショップがありました。その名前は、道を挟んだ向かい側にあったタワーレコードに売っている音楽以外の「他の音楽」を扱うという意味から付けられていました。この授業ではその態度を引き継ぎ、「実験音楽」を、歴史上の閉じたジャンルではなく、そのつどの現在において「音楽」と呼ばれる営みを問い直し、「その他」の可能性を切り開く実践の開かれたネットワークとして考えます。そして自分たちの現在において別の展開を探るというきわめて実践的なスタンスから、みんなでじっさいに実験を繰り広げることで、これまで「(実験)音楽」と呼ばれてきた営みを問い直し、その他の可能性を探っていきます。

具体的にはzoomなどのオンライン・コミュニケーション・ツールを使いながら、既存の音楽(をモデルとした音楽)の再生・再現を試みるのではなく、zoomであればzoomでしか上演・鑑賞できない音楽を構想・制作・実演します。そのためには、オンライン・メディアのスペシフィシティを様々な角度から分析することはもちろん、メディアのスペシフィシティを問題化してきたこれまでの事例を再検討することも役に立つでしょう。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31613
CAS-IC2430S1
文理融合ゼミナール(メディアと芸術)
中井 悠
S1 S2
月曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
YES
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
01 オリエンテーション:問題系の説明、教員の作品紹介 02 講義・ディスカッション:「作品」、「楽譜」、「ジャンル」その他 03 制作ワークショップ 04 講義・ディスカッション:「演奏」、「楽器」、「録音」その他 05 制作ワークショップ 06 講義・ディスカッション:「言語」、「概念」、「テクノロジー」その他 07 制作ワークショップ 08 講義・ディスカッション:「個人」、「人間」、「生物」その他 09 制作ワークショップ 10 講義・ディスカッション:「実験」、「音楽」その他 11 制作ワークショップ 12 制作ワークショップ 13 発表
授業の方法
制作ワークショップの回は、グループにわかれて毎回なんらかの演奏・パフォーマンスを行ない、それを相互に分析・批評しあいます。 講義・ディスカッションの回は教員によるレクチャーに続けて(時間が余れば)全員参加の議論を行ないます。
成績評価方法
出席、参加、学習・納得の程度、発表などを考慮に入れた自己採点をベースとします。
履修上の注意
オンライン限定の授業になります。Zoomに加えて、Google Classroomを用いて資料の配布や課題などの連絡を行ないますので、接続できるようにしておいてください。 これまでの音楽経験や楽器の演奏経験などはいっさい問いませんが、パフォーマンス制作の授業なので、人前で何かをするのが嫌な人には向いていないかもしれません。またおそらくグループでの共同制作になります。 人数に関してはできるかぎり融通を効かせようと思いますが、あまりにも多いと制作/発表に支障をきたすので選抜を行ないます。 参考書は可能なかぎりPDFを配布します。
実務経験と授業科目の関連性
これまで実験的な音楽作品・パフォーマンスの制作・発表を世界のあちこちで行なってきました。詳細はNo Collectiveのウェブサイトをご覧ください。