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最終更新日:2024年10月18日
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文理融合ゼミナール(メディアと芸術)
Other Musics/アザー・ミュージックス
「実験音楽」と呼ばれてきた音楽を真面目にお勉強することほど、実験音楽の精神に反することはないかもしれません。また近年「実験音楽」というカテゴリー自体の排他性に関してさまざまな批判が出ていることを踏まえれば、そのようなジャンルを確立されたものとして学問の対象とすることも馬鹿げています。しかしその一方で、COVID-19の蔓延に伴って、大学での授業を含めたコミュニケーションが大きな変化を強いられている今日の状況は、これまで何の役に立つのか分からなかった色々な実験の使い道をあらためて考えるチャンスでもあります。
すこし昔までニューヨークのダウンタウンにあったOther Musicというレコードショップがありました。その名前は、道を挟んだ向かい側にあったタワーレコードに売っている音楽以外の「他の音楽」を扱うという意味から付けられていました。この授業ではその態度を引き継ぎ、「実験音楽」を、歴史上の閉じたジャンルではなく、そのつどの現在において「音楽」と呼ばれる営みを問い直し、「その他」の可能性を切り開く実践の開かれたネットワークとして考えます。そして自分たちの現在において別の展開を探るというきわめて実践的なスタンスから、みんなでじっさいに実験を繰り広げることで、これまで「(実験)音楽」と呼ばれてきた営みを問い直し、その他の可能性を探っていきます。
具体的にはzoomなどのオンライン・コミュニケーション・ツールを使いながら、既存の音楽(をモデルとした音楽)の再生・再現を試みるのではなく、zoomであればzoomでしか上演・鑑賞できない音楽を構想・制作・実演します。そのためには、オンライン・メディアのスペシフィシティを様々な角度から分析することはもちろん、メディアのスペシフィシティを問題化してきたこれまでの事例を再検討することも役に立つでしょう。
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