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最終更新日:2024年10月1日

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文理融合ゼミナール(認知と芸術)

現代美術演習 -1960年代美術作品を継承し拡張する試み-
この授業では、過去の美術作品を継承し、未来に向けて拡張するという試みを行います。取り上げる作品は、巨大な鉄の彫刻作品で知られるアメリカ合衆国のアーティスト、リチャード・セラ(Richard Serra,1939-)による初期の二作品、『Verblist』(1967-8)というドローイング作品と、『To Encircle Base Plate Hexagram, Right Angles Inverted』(1970)という彫刻作品で、泥沼化していったベトナム戦争への反対運動や、世界的な広がりとなった学生運動などの影響を受けた60年代後半の美術表現から、どのような継承と拡張が可能なのかを探求する現代美術演習となります。リチャード・セラは活動当初、身体的行為を通して実験的インスタレーションやビデオ作品などを制作し、それらの行為に関係する108の言葉をリストアップした『Verblist』を作成しました。一方で、もともと「人間と物質」展で東京都美術館野外に設置された『To Encircle Base Plate Hexagram, Right Angles Inverted』は、その後廃棄される予定であったところを有志の学生達が譲り受け、多摩美術大学に再設置するといったユニークな経緯を持ち、この作品もまた、身体的行為を介在させ、細部の形状が決定された内容となっています。授業では、セラによる作品を用いながらもその解釈のみに終始するのではなく、二作品が生成されてから50年余りの時を経て、閉塞感の増す現代社会に生きる私たち自身の問題を考えていく行為へと繋げていき、そのことから美術作品の可塑性や流動性を体感する機会とすることを目標としています。
授業の前半は、レクチャーを通して二作品のディテールや背景、当時の美術動向などを理解していきます。そして後半はワークショップ形式の授業を通して、『Verblist』の言葉を身体的行為へと結びつけ行ってみることや、そこに新たな言葉を書き加え身体的行為へと置き換えることを行っていきます。実際の作業は5人ほどのグループに分かれ、アイディアの考案や行為の実践、その動画撮影などを共同作業を通して学び、最終日の映像上映及びその講評へと繋げていきます。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31610
CAS-IC2410S1
文理融合ゼミナール(認知と芸術)
笠原 恵実子
S1 S2
月曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
4/13 レクチャー#1「本授業の説明及びリチャード・セラについて」(リモート授業) 4/19 レクチャー#2「人間と物質展について」 4/26 レクチャー#3「60ー70年代の美術動向1」 5/10 レクチャー#4「60ー70年代の美術動向2」 5/17  レクチャー#5「To Encircle Base Plate Hexagram, Right Angles Invertedについて」 5/24 レクチャー#6「Verblistについて」 5/31 ワークショップ#1「Verblistの実践1」 6/7  ワークショップ#2「Verblistの実践2」 6/14 ワークショップ#3「Verblistの実践3」 6/21 ワークショップ#4「Verblistの拡張1」 6/28 ワークショップ#5「Verblistの拡張2」 7/5 ワークショップ#6「Verblistの拡張3」 7/12 成果物発表・講評会
授業の方法
4/13 初回はリモートによるレクチャー形式による授業形態をとり、授業で課題を出題する。履修できる学生は課題によって20名ほどに選考する。 4/19 リモートによるレクチャー形式授業 4/26、5/10、5/17、5/24 レクチャー形式による授業形態、必要資料の頒布を行うことあり、対面・リモートともに可能。 5/31、6/7、6/14、6/21、6/28、7/5 ワークショップ形式による授業形態、グループ分けを行いそれぞれでディスカッションを行い制作内容を明確にしていく。途中発表の実施、ビデオ撮影の実施を繰り返しながら、制作内容を決定する。対面・リモートともに可能だが、人数比によってはグループ分けが平等に行われない可能性あり。 7/12 成果物の発表と講評会 対面・リモートともに可能
成績評価方法
授業内容の理解度、制作における創造性・文脈の明解さ・完成度、授業の積極性・出席率の総合評価
履修上の注意
本授業はリモートのみの初回、二回目以外は対面・リモートの双方に対応し行われます。5/31以降のグループ分けして実施するワークショップ形式の授業時において、対面・リモートが混合した場合の人数比によっては、平等に分けることができない場合もありますのでご注意ください。成果物が授業時間内のみで制作できない場合は、授業外に行うなど個々に対応しなければいけないケースもあるかもしれません。 本授業は、芸術実技を含むため、20名程を定員としています。初回の授業で出す課題をもとに、履修できる学生を選びますので、履修希望者は、初回の授業に必ず出席してください。