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最終更新日:2024年10月18日
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文理融合ゼミナール(認知と芸術)
現代美術演習
-1960年代美術作品を継承し拡張する試み-
この授業では、過去の美術作品を継承し、未来に向けて拡張するという試みを行います。取り上げる作品は、巨大な鉄の彫刻作品で知られるアメリカ合衆国のアーティスト、リチャード・セラ(Richard Serra,1939-)による初期の二作品、『Verblist』(1967-8)というドローイング作品と、『To Encircle Base Plate Hexagram, Right Angles Inverted』(1970)という彫刻作品で、泥沼化していったベトナム戦争への反対運動や、世界的な広がりとなった学生運動などの影響を受けた60年代後半の美術表現から、どのような継承と拡張が可能なのかを探求する現代美術演習となります。リチャード・セラは活動当初、身体的行為を通して実験的インスタレーションやビデオ作品などを制作し、それらの行為に関係する108の言葉をリストアップした『Verblist』を作成しました。一方で、もともと「人間と物質」展で東京都美術館野外に設置された『To Encircle Base Plate Hexagram, Right Angles Inverted』は、その後廃棄される予定であったところを有志の学生達が譲り受け、多摩美術大学に再設置するといったユニークな経緯を持ち、この作品もまた、身体的行為を介在させ、細部の形状が決定された内容となっています。授業では、セラによる作品を用いながらもその解釈のみに終始するのではなく、二作品が生成されてから50年余りの時を経て、閉塞感の増す現代社会に生きる私たち自身の問題を考えていく行為へと繋げていき、そのことから美術作品の可塑性や流動性を体感する機会とすることを目標としています。
授業の前半は、レクチャーを通して二作品のディテールや背景、当時の美術動向などを理解していきます。そして後半はワークショップ形式の授業を通して、『Verblist』の言葉を身体的行為へと結びつけ行ってみることや、そこに新たな言葉を書き加え身体的行為へと置き換えることを行っていきます。実際の作業は5人ほどのグループに分かれ、アイディアの考案や行為の実践、その動画撮影などを共同作業を通して学び、最終日の映像上映及びその講評へと繋げていきます。
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