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最終更新日:2024年10月18日

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文理融合ゼミナール(身体と芸術)

俳句ソニマージュ:世界を引き受ける/存在と向き合う 
「王」という文字にたった一点を付すだけで、字義全体が異なる「玉」の文字になる。物を作るとは本質的にこれと似ている。世界に極少の一点を付け加えることで、世界全体を転倒してしまう、そのような営為。芸術と学術の境を超えて、世界の感じ方考え方を諸君と共有する。「大」の字も一点付け加えれば「犬」となる。

私は長年
音楽教育の目的は 楽器や歌のうまい子供を作ることではなく 世界の聴きかたを感じ考えさせること
美術教育の目的は 絵やデザインのうまい子供を作ることではなく 世界の観かたを感じ考えさせること
体育教育の目的は スポーツや武道のうまい子供を作ることではなく 世界とのかかわりあいかたを感じ考えさせることにある 

と考えてきた。その観点から一芸術音楽家としてその方向での教育の制度設計と実際の授業展開を継続している。今回の新科目では、特段芸術に準備のない教養学部生が、芸術の視座をもって世界と向き合う入り口を、遠隔実習を中心に共に感じ考えることができればと考え、計画している。

具体的には「スマートフォン」を用いた<動画>による世界の切り取りと、その最低限の編集による<マルチメディアによる俳句>に類するものを、遠隔演習で検討できればと思っている。が機材的に無理があれば静止画+パワーポイントでも、なんでも構わない。これは、本学経済学部OBで日本銀行にも定年まで奉職された、俳人の金子兜太さん、あるいはやはり本学仏文科OBで東映動画などを経てアニメーション監督として活躍された、高畑勲さんと私とで考え、少しだけ試みhttps://www.youtube.com/***** ご逝去で中断していた内容を、コロナを機に補完、復活して諸君に提供したいという趣旨で考えている。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31607
CAS-IC2420S1
文理融合ゼミナール(身体と芸術)
伊東 乾
S1 S2
火曜6限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
新型コロナウイルス感染症対策の状況下、遠隔環境での新科目であるので、多くが試行錯誤になるが、毎年行ってきた「ひらめき☆ときめきサイエンス 東京大学白熱音楽教室」の遠隔での取り組みや、ミュンヘン工科大学との戦略的パートナーシップで取り組む アート+サイエンス+AI倫理 の国際プロジェクト成果などを出発点に、初めの数回で基本的な環境を確認、遠隔実習を進め、期末に提出物を受け付け、ウエブ上の互評などに結び付ける計画である。 実物が参考に供するだろう。この動画を見られたい。 https://www.youtube.com/***** これは東京都と埼玉県の間にひろがる「となりのトトロ」が棲息・・・はしない、貯水池護岸の緑地で撮影した動画を編集し、それに最低限のテキストを付したもので、ミュンヘン工科大学AI倫理研究所、文学部哲学研究室と継続している「哲學熟議」のタイトル画像を準備したものである。撮影時、一件すると何もない冬の枯野でしかないが、細かく自然を観察すると、花のつぼみは膨らみ、どんぐりは驚くほど紅色である。これに音楽を付けたものが これ https://www.youtube.com/***** である。このように動画と音とテキストを編集する観点を、スイス=フランスの映画作家J.L.ゴダールなどは「ソニマージュ」と呼ぶ。道具立ての準備としては、こんなところで、実施にあたっては履修者ときめ細やかに相談して進める。
授業の方法
ZOOMでの遠隔ゼミナールであることを踏まえ 履修者に課題として音声動画による日常の切り取りと 最低限の編集・・・がどのように可能であるか 個々人のスマートフォンの機能などで違いがあると思われるので、適切な解決策を試行錯誤しながらの「演習」「ゼミナール」形式になる。小研究室の博士課程院生に音声動画の編集を専門とするメンバーがあり、初心者、未経験者にもきめ細やかなフォローが出来ればと考える。
成績評価方法
ゼミナール実習と課題提出物。
履修上の注意
教養学部で扱う内容は世界観に直結するものが多く、学生の所属する科類などで分け隔てするべきではない。文系、理系、あるいは芸術系といった区別を問わず、あらゆる履修者に等しく問うことが大切である。縦割りを克服する意味でも、4限の数理、5限の音楽実技とのリンクも場合により履修者諸君と相談できればと考える。