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最終更新日:2024年3月15日

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初年次ゼミナール理科

疾患克服を目指した医科学研究の実際 -疾患の分子病態から予防、診断、治療法を考える-
がん・免疫疾患・感染症・神経疾患などの疾病を克服し、健康で長生きできる社会を実現するためには、疾病の原因となる感染源や遺伝子変異を同定するとともに、動物モデルなどを駆使しながらその異常と病態発症・進展における分子メカニズムを解明することが極めて重要です。そして、得られたデータを新しい予防・診断・治療法の開発へと発展させていく必要があります。私達の医科学研究所では、最先端のゲノム編集技術を用いた動物モデル開発や膨大な患者サンプル等を使用した実験的基礎医学研究から、基礎実験データを臨床に活かすためのトランスレーショナルリサーチ、さらにはAIやスパコンを駆使した高度な数学的手法によるデータ解析、そして様々な疾患を予防するためのワクチン開発など、基礎から応用までを包括的に統合する体制で医科学研究を推進しています。

本ゼミナールでは、グループ学習を通して、まず(1)スマートウォッチを利用した研究について学ぶ、(2)組織の再生メカニズムの理解と生体外での組織構築の試み、さらに、(3)幹細胞は生命の謎を解く鍵:組織幹細胞の発生、再生、老化とその制御、の3題の研究テーマを皆さんと考察していきます。その過程で、医科学研究の持つ自然科学的な側面にとどまらず、社会的な側面からも医科学研究の現状について議論を深めていく予定です。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31595
CAS-FC1520S1
初年次ゼミナール理科
小沢 学
S1 S2
木曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
<授業計画> 第1週がガイダンス、第2週が共通授業(検索実習の共通講習を含む)、 第3- 13週が個別授業となります。 第4、5、6週<スマートウォッチを利用した研究について学ぶ> 近年、スマートウォッチ等のウェアラブルデバイスを用いた医学、健康科学研究が盛んになってきています。そのような研究分野はモバイルヘルスとも呼ばれており、例えば、スマートウォッチにより計測した心拍パターンから疾患の早期発見が試みられています。また睡眠科学の分野においてスマートウォッチの睡眠計測機能を利用した研究も今後増えていくと期待されます。本授業では貸与したスマートウォッチで実際に自身、データを取得してもらいつつ、モバイルヘルスについてのアクティブラーニングを行います。 1. スマートウォッチによりどのようなデータがどのような仕組みで計測されるか調べる。 2. これまでにどのようなモバイルヘルス研究が行われているか調べる。 3. どのような新しいモバイルヘルス研究を行うことが可能について考える。 第7、8、9週<組織の再生メカニズムの理解と生体外での組織構築の試み> 生体組織が障害されると、組織を構成する細胞の増殖や幹細胞からの分化など、様々なメカニズムによって必要な細胞が供給されて再生が起こります。近年は、このような再生メカニズムの理解に基づいて、ヒトiPS細胞などを用いた様々な細胞の誘導や組織構築が試みられています。 本講義では、組織再生を理解するための基礎研究と、その知見に基づいて進められる再生医学の応用研究について学び、今後の再生医学研究の可能性について考えます。 1. 組織幹細胞の基本的な性質を理解する 2. 多様な組織再生メカニズムについて学ぶ 3. 組織再生研究とEx vivoオルガノイド構築研究の課題と将来性について発表する 第10、11、12週<幹細胞は生命の謎を解く鍵:組織幹細胞の発生、再生、老化とその制御> 私たちヒトを含め、多細胞生物が恒常性を保ち続けるうえで細胞周期と細胞の分化の制御が欠かせません。組織幹細胞を頂点とし、幹細胞システムが分化した機能細胞を供給し続けて組織の若さを保ち続けていますが、加齢に伴い幹細胞が枯渇したり、あらたな幹細胞クローンが生まれて拡大することで組織の再構築が繰り返されています。その結果、組織や臓器の構築が変化したり機能低下を引き起こし、同時にがんなどの加齢関連疾患も発生しやすくなります。本ゼミでは、幹細胞システムの成り立ちやステムセルエイジングについて学び、紫外線や放射線、大気汚染物質などの環境因子、生活習慣などのとの関わり、組織の恒常性維持機構と老化やがん化の仕組みとその制御について学びます。 1. 組織幹細胞とそのニッチについて学ぶ 2. 組織幹細胞とその分化、老化(ステムセルエイジング)について学ぶ 3. 組織の老化やがん化と、その制御の可能性について学ぶ 第13週 学生によるプレゼンテーション ※授業開始前後の15分に質疑応答に答える時間を設けます。
授業の方法
第3回は、東京大学医科学研究所野見学会を予定しています。新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、予定を変更する可能性があります。 第4回~12回は、3名の担当教官がそれぞれ3回の授業を担当します。いずれの講義シリーズも、第1回目、第2回目の授業で基礎的な知識を習得し、第2回目に発表課題を与え、第3回目に各自が調べてきたことについて、発表を行っていただきます。 各講義の内容については、授業計画を参照してください。 第13回は、講義シリーズについて、各自の興味に応じてさらに学んだことを発表してもらいます。
成績評価方法
初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 各講義と、最終週に発表の機会があります。発表の内容を重点的に評価します。
履修上の注意
学生主体で授業を進めるため、特別な事情等で欠席せざるをえない場合は、事前に必ず教員に連絡してください。