学部前期課程
HOME 学部前期課程 森の生物学
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2026年10月16日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

森の生物学

森の生物学:共存する森林生物
 森林は,生物多様性のもっとも高い生態系のひとつである。そこでは,多種多様な植物,動物,微生物が互いに影響(相互作用)し合いながら,それぞれを取り巻く環境条件に適応して繁殖し,共存している。
 森林内の植物は,取り巻く光環境や水環境に自らを順応させ,光合成により有機物を生産して,森林全体の物質収支を支えている。動物は,その植物を食べて有機物とエネルギーを得ている。さらに,植物や動物の遺体を分解して有機物を無機化するのは,菌類などの微生物の役目である。分解された有機物は,やがて再び植物によって有機物へと合成されていく。こうして,森林内で主役を演じる三者の間を有機物が巡っていくが,有機物の受け渡しに平行して,三者の間では,様々な相互作用が起こっている。例えばナラ類は,異なる光条件下でそれぞれの環境に適するよう,生理機能や樹形を変化させる。また,ブナアオシャチホコやスギカミキリはブナやスギの葉や幹を餌にするが,樹木は摂食を防ぐ様々な仕組みを発動して危害を抑制する。森林内には,植食性動物だけでなく,動物や菌類を捕食したり寄生したりする動物も多数生息しており,それらの間でも多種多様な相互作用が繰り広げられている。一方,林床の落ち葉や枯れ木には,腐朽菌が生息しており,有機物の分解を進めている。その他微生物には,マツタケのようにマツの根に共生して植物の生長を助けたり,逆にならたけ病菌のように様々な樹木に甚大な病害を与えたりして,直接的に樹木と相互作用するものもいる。
 この講義では,このような森林で見られる樹木の環境への適応と植物-動物-微生物間の複雑な相互関係を,多面的に紹介し,解説する。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31588
CAS-GC1E5aL1
森の生物学
池田 紘士
S1 S2
火曜5限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
 この講義では,樹木と非生物的・生物的環境,樹木と昆虫の関係,樹木と微生物の関係など,樹木-動物-微生物-環境の複雑な相互関係を紹介する。講義の日程は次のとおりである。 第1週(4月7日)ガイダンス,生態系内での無脊椎動物の役割I(池田) (無脊椎動物の機能的多様性I) 第2週(4月14日)生態系内での無脊椎動物の役割II(池田) (無脊椎動物の機能的多様性II) 第3週(4月21日)森林樹木の繁殖と更新Ⅰ(後藤) (森林成立過程における環境と生物のかかわりⅠ) 第4週(4月28日)身近な森林を見る、触る、愉しむ(後藤) (さまざまな森の生物との出会いをもとめて) 第5週(5月12日)昆虫の大発生と森林の自己調節機能(鎌田) (ブナの葉食性昆虫の大発生と個体数の変動要因) 第6週(5月19日)ほ乳類を中心とした森林生態系のバランス(鎌田) (ブナの種子の豊凶と昆虫の関係,台風がクマの異常出没の原因?,シカの食害と昆虫の大発生) 第7週(5月 26日)樹木の水輸送(福田) (MRIでみた樹木木部の通水と樹木の乾燥ストレス耐性、マツ枯れの枯死機構) 第8週(6月9日)都市林の生物多様性保全(福田) (都市化により分断,孤立化された森林の生物相の特徴と保全についての事例紹介) 第9週(6月16日)植物の光合成と森林生態系の機能(村岡) (森林におけるさまざまな光環境に対する植物の光合成反応を紹介) 第10週(6月23日)地球環境変動と森林の炭素循環(村岡) (気候変動と森林の光合成や炭素蓄積について日本とアジア地域を例に紹介) 第11週(6月30日)森の中の陰の主役,菌類の生活(松下) (菌類の多様性や菌類の生態を紹介) 第12週(7月7日)樹木の成長を支える菌類の共生(松下) (外生菌根共生を中心に,菌根共生の生理,生態を紹介) 第13週(7月14日)試験(池田)
授業の方法
最初の1回をオンラインで,以後は対面で行う。 資料の配布や課題の提出はUTOLを通してあるいは対面で行う。
成績評価方法
毎回の授業の終わりに授業内容に関する課題を与える。また,期末に試験を行う。これらを採点して合計で評価を行う。
履修上の注意
「オンライン授業URL」は変更される可能性があるので,UTOLを定期的にチェックすること。 「オンライン授業URL」を公開することは厳禁する。 講義の内容や資料は,講師や第三者の著作物なので,必ず以下のルールを遵守すること。 ・本講義のスクリーンショット撮影,録画や録音等は一切禁止する。 ・本講義では,自身の学習目的でのスクリーンショット撮影,録画や録音等は認めるが,それらを許可なくSNSで共有したり,別のウェブサイト等にアップロードしたりという行為は禁止する。 ・許可なく講義画面のスクリーンショットを撮影することや,講義の録画・録音すること,これらを第三者がわかるような形でアップロードすることは,不正行為と見なされる。講義のZoom URLを第三者に提供することも不正行為と見なされる。