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最終更新日:2026年10月16日

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森林環境資源学

森の成長、森と水、森と再エネ、北の森、森と癒し
 世界の森林が危機的な状況にあり、植林によって環境問題に貢献していることをアピールする企業のCMがTVや新聞に頻繁に流されている。その一方で、日本の国土の68.5%は森林に覆われている。日本は世界有数の森林大国であり、森林は日本最大の「地主」である。さて、皆さんは、このような広大な面積をもつ森林の実態を、どれだけ知っているだろうか。
 高校までの生物や地理で、生き物としての樹木や森林に生息する動物、世界の森林の分布などを勉強した人は多いだろう。しかし森林の全体像を知るためには、森林内で何が起きているかを知る自然科学や、森林を取り扱うための技術といった「理系的アプローチ」だけでなく、森林の歴史、経済・経営、法制度、行政・財政といった「森林と人とのかかわり」=「文系的アプローチ」の両方をあわせて学ぶことが不可欠である。その意味で、森林は、東京大学前期課程の総合科目で学ぶ対象として最もふさわしい対象の一つである。
 森林を学ぶための場として、東京大学は、北海道、東京、千葉、埼玉、山梨、静岡、愛知の7県に、山手線の内側の面積の5倍以上の面積の森林を演習林として保有しており、その面積は、東京大学の全キャンパス面積の99%を占めている。
 本講義は、駒場キャンパスの教室で、東京大学を卒業して社会で活躍する皆さんが教養として知っておくべき「森林の基礎の基礎」についての講義と、演習林で開講する1泊2日のフィールドワーク(現地講義)をあわせて行うことで、森林を机上での学習と実体験により総合的に理解することを目的として開講する。フィールドワークでは、現場に常駐して教育研究を行っている教員の指導のもと、森林の現物に触れるとともに、教員と学生のディスカッションを行う。

※受講人数は73名に制限します。受講希望者が73名を上回った場合はセレクションを行います。

※講義を8回(うち1回はオンライン)行い、別に、1泊2日のフィールドワークを行います。フィールドワークは以下の1~5から1つを選んで参加します。それぞれ定員がありますので希望の場所に行けるとは限りません。もし空きがあれば、複数のフィールドワークに参加することもできます。

1.森の成長
 場所:千葉演習林(鴨川市) 日程:5月23日(土)、24日(日)
2.森と水
 場所:秩父演習林(秩父市) 日程:5月30日(土)、31日(日)
3.森と再エネ
 場所:樹芸研究所(静岡県南伊豆町) 日程:6月6日(土)、7日(日)
4.北の森
 場所:北海道演習林(富良野市) 日程:6月13日(土)、14日(日)
5.森と癒し
 場所:富士癒しの森研究所(山梨県山中湖村) 日程:6月20日(土)、21日(日)
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31579
CAS-GC1Db3L1
森林環境資源学
蔵治 光一郎
S1 S2
水曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
YES
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
<講義室での講義> ※講義日は変更される可能性があります。 第1回(4/8)(オンライン)ガイダンス、森林を総合的に学ぶことの意味 第2回(4/22)森林の歴史 第3回(4/29)森林と経済、経営 第4回(5/13)森林で何が起きているかを知る自然科学、森林を取扱う技術 第5回(5/27)森林の作用、機能、文化 第6回(6/10)森林と水資源、国土保全、防災 第7回(6/24)森林と制度、行政、財政 第8回(7/1)全体のまとめ <フィールドワーク> 1.森の成長(5~15名)  場所:千葉演習林(千葉県鴨川市)  日程:5月23日(土)、24日(日)  日本の森林は歴史的に酷使されてきたが、伐採圧力が減少し、植林も行われてきた結果、天然林・人工林の双方とも成熟化・高齢化した森林が増えてきている。本フィールドワークでは、伐採跡地から成熟した森林まで様々な成長段階の森林を見学し、森林が成長していく過程について理解を深める。さらに、人と森林との過去や現在の関わりについて学習し、今後訪れるであろう森林の将来像について考える。 2.森と水(5~20名)  場所:秩父演習林(埼玉県秩父市)  日程:5月30日(土)、5月31日(日)  森林には土砂流出や斜面崩壊を防止したり、洪水・渇水を緩和する機能が期待されている。本フィールドワークでは、関東平野へ流れ出る荒川の源流域を舞台に、水源を育む森林の現実の姿を学ぶ。また、森林からの水の流出、土砂の生産と移動、多目的ダムの効果等について科学的な理解を深める。これらの現地体験を通じて、私たちの生活に欠かせない水資源の利用と、源流域の森林が抱える課題について総合的に考える。 3.森と再エネ(5~10名)  場所:樹芸研究所(静岡県南伊豆町)  日程:6月6日(土)、7日(日)  森林からの燃料採取は、時に森林の再生能力を上回る収奪を引き起こしたが、現代において木質燃料には再生可能エネルギーとしてクリーンなイメージが持たれている。本フィールドワークでは、森林から木質燃料を得る過程や、燃料となる樹木の育成や管理についての知見から、木質燃料のワイズ・ユースについて考える。 4.北の森(2~8名)  場所:北海道演習林(北海道富良野市)  日程:6月13日(土)、14日(日)  北方針広混交林帯に位置する北海道演習林では、持続的な木材生産と森林環境の保全との調和を目指した研究を一貫して行っている。本フィールドワークでは、北海道演習林が行っている木材生産や森林資源再生に向けた取り組み、地域の基幹産業である農業に貢献する水に関する森林生態系サービスについて、現場に足を運びながら考究する。 5.森と癒し(4~20名)  場所:富士癒しの森研究所(山梨県山中湖村)  日程:6月20日(土)、21日(日)  森林にかかわる活動や森林で作業をして心身の健康を維持したり,森林からの産物を生活に取り入れて愉しんだり,森林の景観を活かして来訪者をもてなすなど,さまざまな癒しの機能を持つ地域の森林を地域社会に貢献する環境資源ととらえ,その活用の現状と課題について学ぶ。 ※各フィールドワークにおいては代表教員のほか、以下の担当教員が担当します。 1.鎌田直人教授、楠本大講師 2.鴨田重裕准教授、坂上大翼助教、久本洋子助教 3.齋藤暖生講師、鄧送求助教 4.尾張敏章教授、田中延亮講師、仲畑了助教 5.福井大准教授、齋藤暖生講師、三浦直子助教、藤原章雄助教
授業の方法
講義を8回(うち1回はオンライン)行い、フィールドワークを1泊2日で行う。 フィールドワーク1~5のうち少なくとも1つに参加すること。 フィールドワークの定員に空きがある場合は、複数のフィールドワークに参加することも可とする。
成績評価方法
講義室での講義の出席、講義のレポート、フィールドワークのレポートの3つの得点を合算して評価する。 2つ以上のフィールドワークに参加し、それぞれレポートを提出した学生は、各フィールドワークのレポートの最高得点をフィールドワークの得点とする。
履修上の注意
少なくとも1つのフィールドワークに参加することを条件とする。
実務経験と授業科目の関連性
代表教員は青年海外協力隊員(森林保護)としてマレーシア・サバ州森林局森林研究所に2年2か月間派遣されていた実務経験および民間の建設コンサルタント会社での勤務経験があり、熱帯雨林の現場経験や民間企業での実務経験を踏まえた講義を行う。