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最終更新日:2024年4月22日

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全学自由研究ゼミナール (インターセクショナリティ概論)

インターセクショナリティ概論
この自由研究ゼミでは、「インターセクショナリティ(Intersectionality)」をテーマに、それに関連する人文・社会科学分野のさまざまな領域の学術論文や単行本、エッセイを輪読してディスカッションする。インターセクショナリティとは、交差する権力関係がひとびとの社会的関係や日常的経験にどのように影響を及ぼすのかを検討する概念である。また、人種、エスニシティ、ジェンダー、セクシュアリティ、階級、障害、年齢といったさまざまなカテゴリーを、相互に関係し、形成し合うものとして捉える分析ツールでもある。

近年、インターセクショナリティは英語圏だけでなく日本でもは関心を集め、学術雑誌や記事の特集、専門書の翻訳などが相次いでいる。しかし英語由来の概念を日本に「応用する」ことへの批判、分析ツールとして「不十分である」とする批判、さらには不理解や誤解に起因する不適切な「利用」も少なくない。

このゼミでは、人種や階級、ジェンダーやセクシュアリティの交差的な相互作用と格闘してきたブラックフェミニズムの運動や思想を手がかりに、インターセクショナリティの来歴を確認するところから始める。次に、インターセクショナリティの学術領域における展開に注目し、資本主義や家父長制や植民地主義といった権力システムの交差性を批判的に探求する論考を読み解く。最後に、インターセクショナリティを取り入れた日本の研究成果を検討する。これらをとおして、単一的で普遍的な「主体」を想定したりシングル・イシューの政治を志向したりするのではなく、さまざまな権力関係がいかに相互に連関し合っているかを認識し、社会正義を実現するためのラディカルな思考力を養う。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31502
CAS-TC1200S1
全学自由研究ゼミナール (インターセクショナリティ概論)
福永 玄弥
S1 S2
金曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
授業計画は以下の三部から構成される。 第一に、ブラックフェミニズムと批判的人種理論に根ざした「インターセクショナリティ」の歴史的軌跡を確認する。 第二に、社会変革の理論、概念、実践として「インターセクショナリティ」を用いてきたいくつかの論考を読む。 第三に、日本の研究成果を読む(現時点で考えているのは、セックスワーク、クィア、トランスジェンダー、人種的マイノリティ、ポストコロニアル・スタディーズに関する論文であるが、詳細は開講時に説明する) リーディングリストは開講時に指示する。
授業の方法
毎回2本程度の論文(英語または日本語)を読む。報告担当者をあらかじめ決め、担当者は該当の論文についてレジュメを作成して口頭発表し、それを踏まえて全員でディスカッションをおこなう。レジュメの書き方や口頭発表の方法については授業内で説明するので、未経験でも心配する必要はない。
成績評価方法
授業に対する貢献度(発表やディスカッションへの参加)と期末レポートを総合して評価する。成績評価の割り当てはそれぞれ50%とする。期末レポートの題目は自由だが、概念または分析ツールとしての「インターセクショナリティ」を用いること(3千字程度)
履修上の注意
特になし