学部前期課程
HOME 学部前期課程 人種とジェンダー
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2025年3月17日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

人種とジェンダー

脱帝国主義/植民地主義のために 東アジアにおけるレイシズムと〈ヘテロ〉セクシズムの交差
【授業の概要】
「思想が強い」「多様性を認めない立場も多様性として承認されるべき」といった主張がSNSで見られますが、こうした見解はしばしば差別解消を求めるマイノリティの声を抑圧する構造の中で(発話者の意図とは関係なく)政治性を帯びます。そもそも特定の主張に対して「思想が強い」などといって黙殺を呼びかけるとき、発話者はみずからの政治的立場をどのように認識しているのでしょうか。

この授業では、差別とは何か、マジョリティ/マイノリティとはどのような概念であるかを説明したうえで、レイシズム(人種主義)と〈ヘテロ〉セクシズム(異性愛主義)について講義をします。これらの基本的な知識を踏まえたうえで、日本を事例とし、近代化の過程で「人種」や「民族」といった言説がどのように活用されてきたか、それが〈ヘテロ〉セクシズムと結びついて大日本帝国の建設や植民地主義といったプロジェクトにいかなる貢献をもたらしたか、さらにはこれらの歴史が現代の東アジアにどのような影響を及ぼしているかを批判的に考察します。

講義では東アジアの近現代史、フェミニズム、反レイシズム理論を扱いますが、これらに関する基本的な知識がなくても理解できるよう授業を設計します。不安や疑問があれば初回のガイダンスで質問して確認してください。履修に際しては「履修上の注意」の項目をよく読むこと。

【授業の目標】
フェミニズムや反レイシズム理論について基礎的な知識を習得すること、東アジアの帝国主義/植民地主義の歴史を学ぶこと、そのうえで脱帝国主義/植民地主義のプロジェクトへの参与を促します。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31500
CAS-GC1B24L1
人種とジェンダー
福永 玄弥
S1 S2
火曜3限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
第1回:ガイダンス+導入(「性的同意」をめぐる政治) 第2回:「特権」とマジョリティ/マイノリティ 第3回:エスニシティ、ネーション、ナショナリズム 第4回:「人種」の構築とレイシズム 第5回:〈ヘテロ〉セクシズム 第6回:帝国主義・植民地主義とは何か 第7回:「慰安婦」問題(1)「買春する帝国」の誕生 第8回:「慰安婦」問題(2)映画鑑賞 第9回:「慰安婦」問題(3)移行期正義の実現のために 第10回:歴史修正主義/歴史否定論を批判する(1) 第11回:歴史修正主義/歴史否定論を批判する(2) 第12回:インターセクショナリティ 第13回:脱帝国主義あるいは東アジアの〈和解〉のために
授業の方法
講義とリアクションペーパーに対するフィードバック
成績評価方法
成績評価は①リアクションペーパー(30%)と②期末レポート(70%)でおこなう。 ①リアクションペーパー 講義の内容に関するコメント(感想、批判、質問など)(概算で300〜1,000字程度) リアクションペーパーの未提出が5回以上となった場合、成績評価の対象とならないので注意すること ②期末レポート 講義の内容に関連する自由論述(3千字程度、採点基準は事前に公開する)
履修上の注意
この講義のテーマや内容について学ぶ意思を持たない学生の履修は歓迎しません。リアクションペーパーに差別的な内容を含む発言や主張が見られた場合は注意をおこないます。たび重なる注意にもかかわらず同様の発言が継続して見られる場合は、単位を認めないことがあります。この点をよく理解したうえで履修を決めること。 もちろん、「差別とは何か」、「教員がどんなコメントをいかなる根拠で差別的と判断したか」といったことは、講義中に丁寧に説明するので過度に心配する必要はありません。