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最終更新日:2025年4月21日

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モデリングとシミュレーション基礎Ⅰ

コンピュータモデルで社会を観る-社会システムデザインのための科学的アプローチ-
社会問題の解決や社会制度設計に役立てるために、人の行動データやWEB上のビッグデータから認知科学、社会科学、統計数理、生成系AIなどを活用し、様々な人間集団や社会のモデルを構築し、エージェントシミュレーション、ネットワークシミュレーション、インタラクティブシミュレーションなどのシミュレーション技術を用いてその振舞いをダイナミックかつ創造的に予測、解析する手法が注目されつつある。本講義では、こうした社会モデリングとシミュレーション技術を活用した社会システムデザイン・分析の代表例と最新の適用事例を紹介しつつ、実際のモデル作成方法を学びながらその可能性について議論する。

1「社会システムのモデリングとシミュレーションのための基礎知識」
1.1基本用語と社会システムデザインの概要
1.2ヒューマンモデリングI(ヒューマンモデルとは、チーム・組織・インタラクション)
1.3ヒューマンモデリングII(ヒューマンモデルの作り方:理論・統計数理・生成系AIの活用法)
1.4コンピュータシミュレーションの使い方(理解・予測、発見と共創)
2「ゲーム理論の体験的理解とそれを用いた社会シミュレーション」
2.1人工生命と創発性
2.2 ゲーム理論とシミュレーションI
2.3 ゲーム理論とシミュレーションII
2.5 コンピュータモデルと社会シミュレーション
3「応用例の紹介(金融市場のモデリングとシミュレーション)」
3.1金融市場の特徴と金融データの統計解析
3.2金融市場のモデリング
3.3金融市場のコンピュータシミュレーション
3.4金融市場制度設計に向けて
4「まとめ」
4.1まとめ
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31467
CAS-GC1F48L1
モデリングとシミュレーション基礎Ⅰ
菅野 太郎
S1
火曜2限、金曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
【社会システムのモデリングとシミュレーションのための基礎知識】 1.基本用語の説明と社会システムデザインの概要 社会、システム、モデル、シミュレーションといった基本的用語について説明する。また、社会システムを科学的にデザインすることの重要性とそのための有力な手段としての計算機利用について概説する。 2.ヒューマンモデリングI 社会システムの基本要素となる個人、チーム、グループ、組織、社会といったマルチスケールのヒューマンモデル(人に関するモデル)について、これまで提案されてきたモデル・モデリング手法について紹介する。 3.ヒューマンモデリングII チームワーク、コミュニケーションや危機対応、組織連携といったマルチスケールなヒューマンモデルの適用事例を紹介し、そこで用いられている統計数理手法や生成AI等を用いた具体的なモデリング方法を学ぶ。 4.コンピュータシミュレーションの使い方 現象理解や予測といったコンピュータシミュレーションの一般的利用方法とその検証方法について説明するとともに、コンピュータシミュレーションの新しい使い方の可能性を論じる。 【基本モデルの紹介】 5.創発モデルと人工生命 複雑な社会のシミュレーションに向けて、単純なモデルから多彩な現象を創発することが可能なことをコンピュータシミュレーションによって生命活動をモデル化したライフゲームから紹介する 。 6.ゲーム理論とシミュレーションI 複雑な社会を単純なモデルで表現する方法を、囚人のジレンマを例題に、実際に講義室の中での社会実験を行いながら体験的に学ぶ。囚人のジレンマ問題に進化シミュレーションを適用することで、進化の果ての社会の姿を予測する方法を紹介する。 7.ゲーム理論とシミュレーションII 公共財ゲームを例題に、協調的な社会を実現するための方策をシミュレーションを用いて探索する方法を学ぶ。メタ規範や社会的ワクチンといった社会デザインの方策の効能をシミュレーションを用いて検証する方法を紹介する。 8.コンピュータモデルと社会シミュレーション 複雑な現実社会の具体例として、SNSにおけるコミュニティーの活性やデマの流布、プラットフォームの盛衰を例題に、コンピュータシミュレーションを用いた現象理解、社会デザインの方法を紹介する。 【応用例の紹介(金融市場のモデリングとシミュレーション】 9.金融市場の特徴と金融データの統計解析 コンピュータを利用した価格の統計解析の成果を紹介する。価格のゆらぎのランダム性に隠れた特徴事象(stylized facts)を明らかにし、金融市場の普遍的な構造と複雑ダイナミックスに対する理解を深める。 10.金融市場のモデリング 金融市場のマルチエージェントモデルの構築を中心として紹介する。価格の確率過程モデルとの比較を行い、異なるタイプのマルチエージェントモデル間の比較も行う。 11.金融市場のコンピュータシミュレーション 金融市場のコンピュータシミュレーションによって、価格変動の分布や、ボラティリティの変動特性などの統計的な特徴事象を再現する研究を紹介する。 12.金融市場制度設計に向けて 取引税や、取引制限、レバッレジ制限などの例を通して金融市場制度設計におけるマルチエージェントシミュレーションの役割を説明する。 「まとめ」 13.まとめ 【担当教員】  菅野太郎 :http://www.tkanno.net/*****  陳昱   :http://www.scslab.k.u-tokyo.ac.jp/*****  鳥海不二夫:http://syrinx.q.t.u-tokyo.ac.jp/***** 【担当学科・コース】  工学部システム創成学科SDMコース:http://www.si.t.u-tokyo.ac.jp/*****
授業の方法
パワーポイントを用いた講義形式
成績評価方法
出席と期末レポートによって評価
履修上の注意
授業に関するお知らせやレポート提出はITC-LMSを通して行います。